第5話 レポート完成っ!


・・・そろそろ、分厚い本を読むのも理解するのも僕には限界・・・


ってことで、もうレポートにまとめちゃお~う!


“妖精について”っと。


えーと。


“約2000年前、最初の妖精はカナリにぶつかり、そのおわびとして5種類の生命を与えたといいます。

その妖精は磁石に住んでいたとされています。そんなにすごい妖精がいるのに、何で隕石を制御できなかったのか不思議です。

そしてまた、自分の夢をそのいきものたちに託したとも書かれていました。馬鹿なんじゃいですか?自分のかなえたい夢を他人に任せるとか。相当、頭が悪かったんでしょう。

実際、今日こんにちまでに増えた生物は3種類、そしてそのうち2種は隕石の妖精がつくった妖精たちによるものです。

とすると、それは僕たちにとって、その妖精の期待に応えられなく、恩返しができていないと考えられるのでしょうが、それはただの石であったカナリにぶつかった妖精が勝手にやったことで・・・、”



自分の意見を綴っていくと、結果、レポート用紙を5枚ほど埋めることができた。


よしっ!


レポート終わり・・・っと!



最後に自分の名前を書いてまとめる。


〈ミナ・カスラミーナ・レオル・ト〉と。




んんーっ、とをすると、どこからかミナハがかえってきた。


「終わったか。」

「うん。ほら、見て!冒頭4ページでこれが書けるってすごくね?」


バサ、と音がするレポートを自信満々でミナハに渡す。


ちなみに、ミナハの正式な名前は〈タレ・カナルレイ・ミナハ・ティ・アルカ〉だ。


「冒頭4ページって・・・しかもこれ、お前の独断と偏見がメッチャつまっとるじゃん。こんなんでいいのか?先生に怒られないか?」


「ん。いいの。もともと先生も、妖精学は嫌いだから。いいこと書けば書くほど、怒る。」


「そうなのか⁉」

「うん。でも他の分野は大体好きだから。今度話せばいいよ。タレバハ先生って言うんだ。」


「・・・少し、遠慮するわ・・・。」

「そっか。」


ちょっと、残念だった。

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