第4話 磁石、生命、そして妖精。


〈☆磁石

 カナリ・サナリと磁石をあわせてタナッタ系、つまりアルト銀河唯一の軌道物となる。この磁石は、カナリにぶつかった妖精が住んでいた石とされる。

直径2.5センチ程のこの磁石は、サナリとカナリの周期に大きく関わっている。

それを中心として、サナリとカナリは互いに海面を向けあい、まわっているのである。また、その起動をたどると楕円になる。〉


つかれたー。

・・・と、いうか。

勝手に妖精の住みか、決めちゃっていいのか。

しかも、まわるならきちんと円にまわってほしい。

なんだ、だ円って。


でもこれで、一年に4回、サナリと距離が近くなる理由がわかった。


〈☆光と生命

 隕石に住んでいた妖精は〉


だ・か・ら!

妖精さんの家を勝手に決めるなっつの!


もう。

妖精さんに失礼しちゃうわ。


〈☆光と生命

 隕石に住んでいた妖精は、ぶつかったお詫びに、この星に生命を授けようと考えた。だが問題は、その妖精は一人で、なおかつ持っている力がそれほど強くはなかったということ。結局、妖精はこの星に3種類の植物と、2種類の動物をつくった。

そしてそのいきものたちが暮らしていけるように、カナリに“光”を与え、今にいたる。

当初、妖精はもっと沢山の種類の生命をつくり出す気であったが、力が足りないとわかり、あとはその2種類の生き物にたくしたのである。〉


なになに・・・ふむふむ。


おっ。これが最初の生き物たち・・・って、ほとんどかわらないやんけ。


下に「始まりの5種類の生物たち」と載っていた図には、いろいろな色の草「ラウ」、トゲだらけの太い茎とフワフワの花をもつ「ミクラ」、根に栄養がある「ドミ」と、動物としては「デンビ」、姿のかかれていない「妖精」が、それぞれイラストつき(妖精以外)で説明されていた。


うーん・・・でもこれ、今僕たちがみているものと、名前も形も色も変わらんよ?


それに妖精さん、「たくした」そうだけど、そっから3種類の動物しか増えてないかんな・・・?


ツッコミどころ満載の妖精さん。

磁石に住んでた・・・ってことで、いいのかな?

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