第6話 麗子とボーナスステージ 自粛版
特別監禁室の覗き窓を開けると、中にいる麗子とバッチリ目が合ってしまった。自由を奪うためにも目隠しと手枷はしておくようにと伝えていたはずなのだが、麗子にはその二つは付けられていなかった。
「あ、待ってたんだよ。魔王城の奥にこんな部屋があるなんて知らなかったけど、私が思っていたよりもちゃんと掃除がされてるみたいで綺麗で安心したよ。それに、マサオミと戦った時と違ってここでは普通の人間の姿なんだね。それが君の本当の姿なのかな。それにしても、この部屋って生活感がまるで無くてちょっといいホテルみたいだけど、こういうのも君の趣味なのかな?」
「俺の趣味と言うか、汚い部屋な気持ち良くないだろ。それよりも、どうして目隠しも手枷もしてないんだ?」
「それなんだけどさ、私ってそう言うSМチックな事をする趣味は無いんだよね。君がどうしてもそれじゃなきゃ嫌だって言うんだったら私は従うしかないんだけど、そこんところはどうなのかな?」
「別に俺もそう言うのが好きってわけでもないんだよな。どちらかというと、俺がお前を捕まえているという事をわからせるためにしてるんだ。そう思うよ」
「はあ、そんな事しなくても十分に理解しているよ。だって、勇者であるマサオミが手も足も出ないような相手だよ。戦闘能力のない私がどうこう出来るような相手じゃないって。それにさ、魔王様の噂は色々と聞いているからね」
「俺の噂?」
「ええ、前に捕まえた勇者の仲間の女の子をとんでもない快楽の海に沈めたって。私も今までマサオミに連れられていろんな世界を見てきたけど、そんな事で話題になってる魔王って聞いた事なかったよ。どんなことをしてくれるんだろうなって思ってたら、ちょっと興奮しちゃうよね。ねえ、その指が私を絶頂に導いてくれるのかな。それとも、君のモノがとても素晴らしいって事なのかな?」
「さあね。それはこれからのお楽しみてことだね。一つ聞いておきたいんだけど、勇者と一緒に色々な世界を見てきたって言ってたけど、魔王と勇者ってのは世界に一人ずつしかいないもんなの?」
「私が知ってる限りの話になっちゃうけどさ、基本的に魔王ってのはその世界に一人だけだともうよ。勇者は同時に何人もいることがあったし、勇者同士で手を組んでるってときもあったみたいだね。マサオミは自信過剰で俺様タイプのワガママ野郎だったから勇者と手を組むってことは無かったけど、魔王じゃなくて勇者同士で戦ったことはあったよ。その時も私は見てるだけだったんだけど、普通の魔王を圧倒するくらい強かったマサオミが勇者に負けることなんて無かったよ。どんなやつが相手でも一人で楽勝って感じだったんだよ。君は魔王として勇者マサオミと戦ってどう感じたのかな?」
「戦ってみてか。特に何も感じはしなかったな。前に戦った勇者の時の方が印象に残ってるんだけど、それは俺が魔王としてこの世界に誕生して最初の戦いだったって事もあるんじゃないかな。勇者マサオミが俺の最初の相手だったら苦戦してたかもしれないけど、実際のところはそうではなかったって事かも」
「へえ、そうなんだ。二回目の戦闘でマサオミをけちょんけちょんにしちゃったんだね。でも、それで良かったと思うな。マサオミってさ、ああ見えて勇者になりたての頃って全然強くなかったんだよ。セックスも下手だったな。なんでも力任せにやっててさ、そんなんじゃ戦いもセックスもうまく行くはずないんだけど、たまたまその力任せが成功したことがあってね。うん、セックスじゃなくて魔王討伐の方ね。その一回の成功がマサオミを変えたみたいでさ、それからは魔王と戦っても連戦連勝でいろんな世界を私歩くことになったんだよね。その時くらいからだったと思うけど、マサオミはセックスをしても何の反応も見せない私に飽きて王女とか町娘にも手を出すようになっちゃったんだ。どうせ違う世界に旅立つから良いだろうって事で好き勝手やってたみたいなんだけど、それが原因で他の世界に旅立つときも誰も見送りに来なくなっちゃってたな。それって自業自得だとは思うけど、私までそんな目で見られたくなかったって思うよね」
「あいつは頭も悪そうだったもんな。頭の悪いやつが力を持つと周りが不幸になるって良い見本だな。いや、悪い見本か」
「あはは、そうだね。君は魔王なのに面白い事を言うね。君の方が勇者っぽく見えてくるかも。その姿で人前に出れば誰も魔王だって信じないんじゃないかな。その姿だったらマサオミと戦った時のように力を発揮出来なかったりするのかな?」
「どうなんだろう。試したことが無いからわからないけど、そんなに変わらないと思うよ」
「じゃあ、魔王の時と今の姿ではこっちも違ったりするのかな」
麗子はベッドから降りて俺の前にしゃがみこむと、頬で俺の太ももを撫でながら細い指で俺の股間をまさぐりだした。綺麗に形を整えた爪が俺の股間をかすかに刺激しているのだが、その触れるか触れないかの刺激が布越しに伝わってくるだけでもかなり気持ちの良いものだった。
気持ちが良いので自然と反応をしてしまうのだが、ズボン越しにもかなり大きくなっていることが自分でもわかってしまった。
麗子はその大きくなったモノを嬉しそうに爪の先でいじると、俺の顔を見て反応を確かめているのだった。俺の表情を見て嬉しそうにほほ笑む麗子は俺がして欲しいことを微妙にずらして俺のモノを刺激し続けていた。
このまま受け身でいても良いのだけれど、こんなところで守りに入っていては魔王の威厳も無くなってしまうと感じ、俺は麗子の頭を持ち上げるとそのまま麗子にキスをした。
俺がいれるよりも先に麗子の舌が伸びてきたのだが、それと同時に麗子の右手が俺の股間を刺激しているのだ。思わず声が漏れそうになってしまったのだが、俺も反撃を開始することにした。
同じく右手をパンツの上にあてて、俺はこの世の何よりも細かく優しい振動を布越しにあててみた。ピンポイントで気持ちの良いところに当てることは出来なかったのだが、麗子自身が腰の位置を調節して一番気持ちの良いところに俺の手を当ててきたのがすぐに分かった。その理由として、麗子が大きな声を上げて上半身がのけ反ったという事と、パンツ越しにもわかるくらい大量の液体が麗子の体からあふれ出てきたのだ。
「はあ、はあ、その動きって、反則だよ。……なんで、そんなに小刻みに、動けるのよ。私が持ってた、マッサージ器よりも、気持ちいいなんて、おかしいって」
麗子はそう言いながらも左手で俺の右手を掴んで離すことは無かった。もっとして欲しいんだと思って俺は再び右手を動かそうとしたのだが、麗子はそのまま俺の右手を自分のパンツの中へと導いたのだ。
再び俺の右手が激しいながらも繊細に動き出すと、あっという間に麗子は大声を上げて痙攣をしてしまった。それでも、麗子は俺の右手を離そうとはしなかった。麗子の右手も俺の股間を握ったままだったのだが、それは麗子の固い意志だったのだろう。
「ちょっと、もう、無理かも。こんなのまともじゃないよ。頭の中真っ白になりそう」
麗子はそう言いながら腰から崩れ落ちてしまったのだが、俺の手を掴んだままだったので履いていたパンツが破れてしまって俺の右手を隠すかのように包み込んでいたのだ。俺の右手は手を洗って拭いてないかのように濡れていたのだが、麗子はそんな右手を破れたパンツで軽く拭いてくれた。
「私ばっかり気持ち良くなっても申し訳ないし、君の事も気持ちよくしてあげるからね。ほら、腰を上げてごらん」
麗子は俺のパンツを脱がそうとしたのだが、その瞬間に俺の意識が遠のいてしまった。これからというところで俺の能力が発動してしまったのだ。
今度こそ俺が最後までやってやろうと思っていたのだが、そうモノゴトは上手く進むものではないのだった。
俺は麗子が気持ちよくなって大きな声を上げ続けている様子を他人事のように眺めていたのだが、麗子を責めているのが俺であるという非現実的な事実が想像以上に俺を興奮させてしまっていたのだった。
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