第36話

光枝「二人ともこっちよ」と、普段の占いの部屋ではなく、喫茶店に更級と明は招かれた。

明「いつもの場所じゃないんですね?」

光枝「言ったじゃない、女三人かしまし女子会するって」

更級「女子会しか聞いてないです」

光枝「そう?まあ、後天性性逆症による男性化した人ばかりが殺されてるじゃない?それの犯人なんだけどさ、占いでは、寂しがりの20代男性、アイドルか、元アイドルって出てるわ」

更級「アイドル…」

明「てか寂しがりの男性ってのも、よく分かりませんね」

光枝「そうね、ただ占いではそう出たのよ」

更級「アイドルとか、元アイドルとかも相当数いるなぁ」

光枝「あと、なぜか、八桁の数字もあるわ」

明「八桁?」

光枝「これ」と数字、『25663254』と書いてある紙を渡された。

光枝「あと、何を頼むかしら?」


女子会は本当にやった。意外と楽しかった。


更級「普通に考えたら、電話番号とか、か?」

明「あー、さっきの数字ですか?」

更級「んー、ただかけるわけにはいかないしなぁ」

明「確かに…」


その夜、告発動画なるものが出された。

犯人の動機が分かるかもしれない、と、その男性は、杉田慎二(すぎたしんじ)と名乗りルポライターらしい。

ある新興宗教の取材していた際、裏切られた女性とやらの聞き込みをすることになった、と。

その女性は、吉良弧世身(きらこよみ)と名乗り、男性に裏切られ、宗教団体に入所した。

そして、息子に復讐させる、と言っていたとか、うんぬんかんぬん言っていたらしい。


更級「いや、これ関係ないな」

明「え」

更級「ったく紛らわしい動画を出すなし」

明「マジですか?」

更級「あぁ、もしくは、こいつが犯人とか」

明「どうみても40代ですけれど」

更級「そうか…そうだな」


一週間後、山彰英(やまあきひで)という青年が殺されたが、彼は男性化した女性ではなく生粋の男性だった。

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