第32話

渋谷に着いたあと、伊藤くんが「どうします?」と聞いてきたから、「まずは、渋谷に着いたし、矢野口さんに会うか」と言ったら、げんなりとした顔になった。

更級「ちょっち失礼じゃない?」

伊藤「いやぁ、なんか見透かすっていうか、あの人苦手なんですよぉ」


占い師、矢野口光枝(やのくちみつえ)、先代所長と友人で、少し見透かす能力的な何かを持ってる。

光枝「あら、来たわね、大丈夫かしら?」

更級「女になってることすら驚かないとは」

光枝「あら?私はこれでも驚いているわよ、占い結果が、性別が変わる、なんて聞いたことないもの」

更級「なるほど…」

光枝「早く来なさいな伊藤ちゃん」

伊藤「は、はい…」

光枝「あら?女子会みたいだわ、今度はお茶を用意しておくわね」

更級「ありがとうございます」

光枝「あとね、タバコは禁煙だから出さないでね」

更級「はい…」


五分後

光枝「で、貴女方が追ってる人ね、特徴だけは占えたわ」

更級「マジですか」

光枝「まあ、最初らへんはよくある感じよ、頭がよくずる賢い、狡猾な男性、たぶん60代前半ね、そして、八王子か豊田に住んでるわ、んで、たぶん共犯はナースね、それなりに医療知識がある女性が共犯と思ったらいいわ」

更級「なるほど…」

だいたい当たるから本当に凄い。

光枝「もう一つ、この案件が終わると、別の案件がくるわよ」

伊藤「え」

光枝「それから、また来なさいな」

更級「ありがとうございます、先代が好きだったウィスキーです」

光枝「あらあらあら、気が利くじゃない、ありがとうねぇ」


更級「あ、坂松ヒメノンさんですね?」渋谷で偶然あった。

ヒメノン「は、はい」

更級「探偵で、高尾山の件を調べているものです」

ヒメノン「あ、あぁ!!もしかして、譜久村先生が依頼した方ですか?」

更級「はい」

ヒメノン「じゃ、じゃあ、そうだ、サイゼリアに行きましょうか」

更級「はい」


サイゼリアで自分等が後天性性逆症により女体化してるのを話す。

ヒメノン「あー、そうなんですか、生理とか気をつけてくださいね」

更級「まあ、痛いのはいやですがね」

ヒメノン「動画ではいえなかったことですけど、ジェラピケの店行ったあと、なんか、マジックショーを見に行ったんですけど、それがもしかしたら、あれだったんじゃ、と」

更級「犯人だった、という感じですか?」

ヒメノン「はい」

更級「なるほど」


更級は江戸川乱歩とかの小説の現代版みたいな事件だよな、と思っていた

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