第31話第四章

更級探偵事務所、そこに訪れたのは、初老の男性だった。名前は譜久村大二郎、後天性性逆症の研究、第一人者である。

伊藤「あ、譜久村さん!!」

譜久村「久しぶりだね、伊藤明(いとうあきら)さん」

伊藤「はい!」

何話か前に女体化した探偵助手がいる、とあっただろうが、それが伊藤さんである。

伊藤「ご依頼ですか?」

譜久村「あぁ」

伊藤「では、更級をお呼びしますね」


無精髭の生えた男性がやってきた。

更級「更級翔真(さらしなしょうま)といいます、助手がお世話になったようで」

譜久村「いえ」

更級「それで、ご依頼は?」

譜久村「はい、警察にも相談していますが、故意に性転換を行った人物の特定をしていただきたい」

更級「あぁ、坂松ヒメノンさん、子宝洋介さん、西木タモツさんの件ですか?」

譜久村「よくご存知でらっしゃる、はい、渋谷で行方不明になり、三人とも高尾山の近くで発見され保護されています」

更級「後天性性逆症とはちがうんですか?」

譜久村「性質そのものは、ほぼ同じと特定されましたが、どうやって一個人を後天性性逆症にさせるのかは、まだ、不明なんです」

更級「なる、ほど」



その次の日、朝からタバコを吸おうとしたとき、違和感があり、違和感の正体を見るために鏡に向かった。

更級「マジか」

腰くらいまである髪、強調されるボンキュッボン、いくらか身長が下がった身体。

更級翔真も女体化した。


伊藤「まさかの、所長も女体化ですか!?」

更級「そうみたいだな」

伊藤「しかも、めっちゃ美人だし…無精髭どこ行った?!?」

更級「たぶんロングすぎるこの髪だろうな、譜久村先生に報告してくるよ」

伊藤「は、はい!!」


更級「仕事にはおそらく支障はないのでご安心を」

譜久村「すいませんがご年齢は?」

更級「29です」

譜久村「なるほど、申し訳ない、35くらいかと、そして後天性性逆症は、15歳から30歳までの間だと思われていましたので」

更級「あー、なるほど、生理とかは、伊藤に聞きます」

譜久村「ありがとうございます」


とりあえず高尾山にいくことにした。

それと、2000円くらい、払って美術館にも行った。錯覚は面白い。

伊藤「三人とも、この近くで発見されたらしいです」とそこは、休憩所だった。


更級「それにしても全然疲れなかったな」

伊藤「あー、たしかに、女体化してサイズがへってるからかな?」

更級「そうだな、って、おい」

伊藤「渋谷で張り込みしましょう」

更級「だな、」

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