第6話
4月26日(土)
実家はさほど遠い訳ではない、電車で30分程度だ。
ただ、女の子になってから、父が一度は会いに来い、とか、ただの緊張しかしねぇ。
樹に付き添ってもらい、とりあえず、玄関前インターホンを鳴らす。
「つか、今さら自覚したが、広瀬って、金持ちの家系だったんか」と樹。
「ほんとほんと、金持ちみたいな感じしないのに」と麻友さん。
失礼じゃね、割りと。
使用人の上田さんが、案内してくれて、とりあえず、実家にいたときすら滅多に行かなかった応接室に通された。
「それにしてもお坊っちゃまが、お嬢様になられるとは、複雑」と、上田朱里(うえだあかり)さん。案内してくれた上田直子(うえだなおこ)さんの娘さん。
上田朱里さんは、趣味で、ゴスロリメイド服をきている人だ。
そして、妙なオーラみたいなのを放つ和服姿は初老の人がやってきた。うちの親父、広瀬一馬(ひろせかずま)である。うちの親父は、元自衛隊所属だからか、凄まじい戦闘民族みたいな見た目だ。
「ふむ、どれが、息子だ?」
まあ、第一声それかよ、と、三人が三人、ずっこけた。
「俺々」
「ふむ、母さんに似てなくもない」
「あらあら嫌だわ」といつの間にか居てバンバンと親父の肩を叩くのは、広瀬由起子(ひろせゆきこ)母である。
「まあ、なったのは仕方ない、市役所に性別変更の手続きもしなくてはならないし、あと、息子、いや娘を頼んだ」と、樹と麻友さんに固い握手をかわしていた。
家を出たあと、二人は、「いやぁ、お母さん、ロリっぽくてかわいかったね」と話していた。
姉に比べても確かに背が小さいので、確かにロリコンほいほいなんじゃ、と思って心配したが、親父がいるから平気かと、あっという間に思考が変更される。
4月27日(日)
朝、樹に言われたが、完全に女性声になっているらしい。だから、カラオケに行ってきた。
まさか、昔のボカロの曲を苦労せず歌いきれるような喉になっていたのは、ビックリした。
あと、少し、興味が出てしまい、カラオケで、マスターベーシ○ンとか自○と言われるような行為をしてしまった。
男のときとは違い何度も到達する感覚を味わった。
少し癖にならないように気をつけていかなければならない。
あと、どうやら、そういうことしてるときの声が、えっちいアニメの声にしか聞こえないらしい、それも、気をつけていかないと、と思いました。
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