第4話 他人事
久保の家に到着するまでの時間。俺たちの間に会話なんてものは存在せず、街路樹の葉が擦れる音や、バイクのエンジン音などがBGMとなっていた。
「こ、ここ」
久保の小さな声が聞こえて足を止めると、洋風な外観をした二階建ての一軒家が目の前にあった。
「そっか。それじゃあ、また明日な」
「は、はい……」
右手を軽く振って、俺はもと来た道を引き返した。
鬱々とした気持ちのまま学校の前を通りかかると、
「「「おっつ~!」」」
三人の明るい声がきれいに交わって聞こえてきた。
「テメェらさっきから他人事だと思いやがって……」
苛立ちを含んだ声を漏らすと、
「ま、他人事だしな」
浩介はクールなトーンでそう言った。
「うぐ……」
ぐうの音も出ないとはこういうことなんだと実感した。
「でさ、晴れて付き合ったんだし。今週末にでもデート行って来いよ」
浩介が依然クールなトーンで当たり前のことのように言ってくる。
「はぁ? お前らな……」
「じゃなきゃ罰ゲームになんねぇだろ?」
「そうだそうだ!」
浩介の意見に同調するように亮太が声を上げる。この状況になっては反対意見など通るわけもなく、俺は仕方なく承諾して四人で家路についた。
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