迎え
最近、彼女の様子がおかしい。たしかに知っているふりをして黙っていた僕も悪かったと思う。それに関しては謝った。だが、確実にあの日から彼女の様子がおかしくなっていた。
今まではそんなにしつこく来なかった連絡が毎分ペースで送られてくる。彼女から連絡が来るだけ昔の自分からしたら贅沢な話だとは思うのだが元々連絡をとることの少なかった僕からしたら結構な負担ではあった。でも、彼女は彼女なりに僕と続けていきたいと思ってくれていると言うことだ。僕も彼女のために頑張ろうと思う……。
無理でした。最初こそ、
「おはよ♡」
と、来たら僕も
「おはよ♡」
と返すようにしていたし、自分から今日の出来事とか他愛もない会話をするように心がけた。最初は楽しめていた。しかし、それが毎日毎分毎秒続くと身体が持たない物である。気づいたら彼女から連絡が来るとおびえるようになっていた。
なによりも最近多い夜中の長電話が身体にかかる負担がすごかった。元々夜更かしをするタイプの人間ではあったから夜は大丈夫だった。だが、毎回毎回 「ごめんね……私が信じられなくて……」 とずーっと言われるのだ。大丈夫だと毎日言っているのだがこれが続くのであればどうにもさすがに僕は無理である。
今日は日勤。早起きをする必要があるが前日の夜はもちろん夜中の二時まで通話。まあいいだろう。朝起きてすぐに連絡が来る。見張られているのだろうかと思うくらいすぐに来る。目覚まし時計を止めるのとどちらが早いかも分からないくらいに。
通勤中には謎の鬼電。朝の通勤時間くらいはおとなしくしてくれ。というか君は何をしているのだ。
仕事も終わり家に帰る。そして僕はパソコンに向かい執筆をする。
昨日はどこまで書いたっけな。早く進めないとー!!
僕は小さな画面に向かって必死にカタカタと文字を打ち込んでいく。
「あーー、ここどうしよっか……え??」
久しぶりにあった幼馴染がメンヘラ彼女になった件(自分視点) 山川ぼっか @ke0122
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