久しぶりにあった幼馴染がメンヘラ彼女になった件(自分視点)

山川ぼっか

突然と現れた彼女

 彼女は突然と僕の目の前に現れた。


「あの。覚えているかな……。久しぶりだね」


 彼女は首元まで伸びた髪の毛をクルクルとさせながら声をかけてきた。

 しかし、僕は全く覚えていなかった。というか知らない子である。だが、彼女はとてもかわいい子だ。ここで逃してしまうのはもったいないと思ってしまい、、、


「あ、あぁ。。覚えてるよ。久しぶりだね」


 彼女の顔からは不安そうな気配が消え、笑顔があふれる。


「じゃあ、私との約束も覚えてる……よね??」


 彼女が誰かすらわかっていないのに、僕がそんなことを分かるわけがない。だが、適当にはぐらかしてしまった以上、やりきるしかない。


「あ、うん。あれだよね。しっかりと覚えてるいるよ」

「本当?! 良かった。じゃあ、これからよろしくね!」


 何がよろしくかは全くわからないが僕は満面の笑みでうなずく。何もわかっていない顔である。そして、ここから僕と彼女のカップルとしての生活が始まった。


 彼女は僕になんてもったいないようなくらい可愛いのである。素性も名前すらもわからず付き合うのはどうなのかと思われるだろう。しかし、彼女いない=年齢である僕からしたらこんなチャンス喉から手を出そうとも届かないのである。それならつかめるときに掴むしかない。そう僕は思い、付き合っている。

 仲良く水族館や遊園地などに行き楽しく過ごせていた。しかし、ある日に行った動物園で事件は起きた。


 今までうまく避けてきていた過去の話になってしまったのである。


「ここの動物園来るのも懐かしいね」

「そうだね。」


 僕はもちろんのこと何も覚えていないので心のない返事を返す。


「じゃあ、なにがあったか覚えてる?」

「も、もちろんね。あれだよね。うん。」

「覚えていないんだよね?」


 彼女はうつむきながら僕に質問をする。僕はコクリと小さく、そして申し訳無さそうにうなずく。というかよくここまで五ヶ月も隠し通せたものである。我ながら上出来であろう。


「そっか、そうだよね。ごめん。今日は帰ってもいい?」

「うん」


 ここで彼女との関係は終わるものだと思っていた。

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