第24話 駟の隙を過ぐる
ダガッ
(リンキッド!)
やはり古龍使いのタイエイが独走している。
サルバは再び蛮行にでている。
がしかし、運良く抜け出せた数名がタイエイのあとを必死で追いかける。
サルバの蛮行は予選の比ではない。
石柱どころか、他選手のドラゴンにさえも衝突を仕掛ける。
それは、タイタニアにとっていい方向へと働いている。
1位タイエイが率いる数名が抜け出し、サルバに足止めを食らった集団にタイタニアは合流することができた。
それができたのは一週目を終えてからだ。
「タイタニア! 行けー」
観衆の熱は声量とともに徐々に上がっている。
応援がどこまで選手に届いているのだろうか。
サルバは集団の先頭につき、インコースを確実についていた。
アウトから誰かが抜け出ようとした瞬間には問答無用でサルバは外へ弾き出した。
まさしく“蛮行”たるや。
数名がその蛮行の餌食となり、コースアウト並びに脱落を余儀なくされた。
“抜いたら脱落” そんなことをサルバに植え付けられた後列は勝負をすることなく停滞状態が続く。
1人、恐れ知らずがサルバに並ばんとする。
3周目に入り、恐れ知らずが前に出る。
その者はリンキッドだった。
リンキッドが前に出る。 サルバが即座に斜め後方のリンキッドを確認する。 サルバが体当たりを仕掛ける。 リンキッドが速度を上げる。 攻撃を
「やろうってのか ガキが」
「案外 雑魚いもんだな」
彼らのぶつかり合いは激しさを増していった。
後方はますます前に出る機会を失った。
4周目に入る手前タイタニアの耳に先生の声が届いた。
「タイタニアー! 走れ! 走れ! カーブは飛ぶな!」
(先生!)
タイタニアは気が付いたように声の聞こえる方、先生の方へ視線を向けた。
□ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □
「先生 なんか最近タイム伸びてなくない?」
「ふーん そうだなぁ」
「やっぱ アバロは飛ぶの向いてないんだよ ドラテンにアバロで出てるの俺くらいだよ 絶対……」
「じゃあ 走ればいい」
「え 何言ってるの先生」
「例年通りなら 多少コースは変わっても石柱の間を行くレースになることは 変わらないだろう その石柱を利用するんだ」
「でも それで本当に速くなる?」
「直線距離じゃ あんまり期待できないかもな」
「え じゃあ」
「条件は カーブだ」
□ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □ ◼️ □
(走れ? そうだ! 条件はカーブ!)
「先生? どういうことですか?」
「アバロはマノや他のドラゴンと比べれば空の機動力は劣る だから 壁を走るのさ」
「でも そんなんじゃ」
「カーブに差し掛かる時 皆んなスピードを下げるだろ なんでかわかるか?」
「えー……」
「速ければ速いほど 遠心力が働くからさ
そこをタイタニア及びガングが最高速で抜ければ勝機は必ずやって来る
この3周でコース中の石柱の位置はもう既に把握しただろう
あとはタイタニアの技量次第……」
[ドラゴンに乗る時は、ドラゴン専用の鞍や
___
第24話 『
なるべく会場の臨場感が伝わるよう工夫を凝らしているつもりですが
難しいもので……
少しでも面白いなと思ってくださったらハートとフォローをお願いします。
これからもより面白い話が書けるよう精進して参ります。
どうかこの続きも読んでくださると幸いです。
星欲しい!!
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