第23話 救いの手
Bグループのレース終了後、タイタニアが16位であることが判明した。
先生はもちろん僕もオリビアでさえも動揺を隠せなかった。
俯きがちのタイタニアがガングを連れ、向こうからこちらに向かってくる。
どういう顔をすればいいのだろうか。
今まで頑張っていたからこそ非情な結果だと思える。
だが現実は必ずしも因果応報とは限らない。
「先生…… 俺……」
タイタニアは瞳に涙を溜めた。しかし、溢そうとはしなかった。
「ごめん 先生」
先生は柄にもなくタイタニアに膝をついて抱き締めた。
「私の為に泣くな 自分の為に泣け
その後で必ず自分を褒めてやれ 運が悪かった ただそれだけだ
無駄じゃない……」
しかし、この場の4人は皆知っていた。
この予選で30位以内でないとこの結果は試験では役に立たないということを。
「え? はい 12位と13位ですね わかりました」
主催者側で何かがあったようだ。
「えー Bグループで折り返し地点に到達せずゴールした選手が2名いましたので 順位訂正を行います
12位及び13位の選手を脱落とし
繰り上げで16位及び17位の選手を決勝進出といたします」
救いの手は突然に。
「ということは タイタニア決勝進出?!」
「ああ まだ終わってないぞ!」
「はあ ヒヤヒヤさせないでよ」
「先生!」
タイタニアに笑顔が灯った。
決勝はタイタニア含め30人で行うこととなった。
楕円状のコースを先に7周回った選手から上位15人が二次予選に出場できる。
「一時はどうなることかと……」
「本当に焦りましたよ」
「でも 油断はできない 古龍使いのタイエイがいたにも関わらず15人マックスで決勝進出してるんだ 今年はかなり厳しい」
予選突破者30人が予選タイム順にインから2列でスタートラインに並んだ。
前列は1位〜15位。
後列は16位〜30位。
1位はタイエイ。
サルバは11位。リンキッドは13位。タイタニアは28位。
「上位はほとんどBグループなんですね」
「サルバがAの足を引っ張り Bの道を作ったから当然っちゃ当然だな」
「タイタニア リンキッドの後ろじゃん」
「ってか タイタニア君とリンキッドってどういう関係なの?」
「リンキッドは所謂ガキ大将ですよ 僕も正直あんまり知りませんけど 初めて会った時はこんな嫌な奴いるんだなって思いましたし 受験前に馬鹿呼ばわりされたみたいで」
「なるほどね」
「3…… 2…… 1……」
バーン
レースが始まった。
ダガッ
「タイタニアが!」
タイタニアのガングがリンキッドのドラゴンに後ろ蹴りを食らわせられ、大きく出遅れた。
「あいつ!」
[レース中のフィジカルは故意に悪質なものでない限りレースの続行が可能なら許容する。]
___
救いの手は突然に
最後まで御読みいただきありがとうございます!!
題名からもうわかっていたと思いますが
タイタニア予選の予選突破ですっ!
パチパチ
ラストでリンキッドがやってくれました
星欲しい!!
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次回 血湧き肉躍る肉弾戦
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