第22話 一次予選の予選B

「タイタニア君 さっきのレース見てたな」


「うん」


「真ん中がやっぱ激戦区だ 始めっから石柱の数が少なくほぼ直進できる 


それに加えてサルバがもっと見通しを良くしたからAの時より密集するだろう」


「わかってる だから俺は行かないよ スタート地点から真っ直ぐ直進するつもり」


「ああ それで十分勝算はある どうした? 喋りが固いぞ」


「え」


タイタニアはこれまでの人生で一番の大舞台に立たされていた。


「安心しろ 私は今日までの君の努力を見てる 


一番認めてやんなきゃならないのは自分だろ “大丈夫!”」


「うん ありがとう 先生」


(勝つんだ リンキッドにさっき言ったんだ ここで脱落するわけにはいかない)


目つきが変わった。

獣を喰らう竜の如く。


「行ってこい」


先生はタイタニアの背中を押した。



  † † †



マーティン、ロイ、オリビアは再び上空からレースを見守る。


「先生 さっきタイタニアと 何話してたんですか?」


「タイタニア君に勝ってもらうために“おまじなない”をね」


「なんですか “おまじない”って」


「始まる!」



「3…… 2…… 1……」


バーン



スタートの合図と同時に半数もの選手が中央の先頭争いを繰り広げた。


その中でも、タイエイだけは他の追随を許さない圧倒的スピードで2位以下との距離を広げた。


一方タイタニアはスタートライン右端から中央に行くことなく堅実に前へ進んでいく。


そうこうしている間にタイエイは折り返し地点手前まで来ていた。


「先生 一位がもう折り返し地点につきそうです」


カン カン カンカン


鐘の音が鳴った。一位が折り返しに着いた合図だ。


これから30秒以内に折り返し地点に到着しなかった選手はそこで即脱落だ。



30…… 29…… 28…… 27……


5秒も経たないうちに数名が折り返した。


22…… 21…… 20…… 19……


タイタニアが現れない。もう既に一位含め9人が通過したと思われた。


13…… 12……


7…… 6……


「先生! タイタニア あそこ!」


タイタニアが奥から現れ、残り数秒のとこでなんとか折り返した。


「タイタニアー! 行けー」


思わず大声を張り上げてしまった。



1位タイエイ。2位……。3位……。14位……。

15位……。



16位タイタニア。


[選手、観戦者それぞれの待機場所が用意されている。観戦者は上空を障害物なしで飛べるため基本的に選手より速く移動できる。]


___

第22話いかがだったでしょうか


惜しくもタイタニアは16位という結果で終わってしまいました。


再度確認いたしますが、AとBからそれぞれ15人ずつの予選通過者を決めます。


タイタニアより一つ上の代も参加できること タイエイの存在


何とは言いませんがとりあえずハートとフォローを押して


第23話をご覧ください!!


星欲しい


では、じゃの

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