第21話 一次予選の予選A
「って なんで3人乗りなのよ」
僕、先生、オリビアは先生のドラゴンで会場に向かった。タイタニアは一足先に会場に行っていた。
「会場に僕のドラゴンしか連れて行けないんだ」
「なんでなんですか?」
「選手以外のドラゴンは事前に申請がいるんだけど オレアの分忘れちゃった」
そう先生は笑って言った。
「行く前に誰かさんが駄々こねて ちょっと遅れてる スピードあげるよ」
「そ それは先生の責任でしょ!」
「前の人に捕まってろ」
僕は先生のことをがっしりと掴んだ。オリビアも同じように僕のことを後ろから掴んだ。
「あ」
予想外の速さに後ろに倒れそうになるオリビアを僕は咄嗟に両腕を引っ張って戻した。
「っぶね」
「しっかり捕まっているんだぞ」
先生が言った。
「ありがと……」
そう言って、腕を前まで回してきた。
‡◇‡ ⁂ ‡◇‡ ⁂ ‡◇‡
「リンキッド……」
「お前 なんでここにいんだ?」
「お 俺もドラテンに出るからだ!」
「大丈夫か? 足震えてんぞ」
そう言ってリンキッドはどこかへ行ってしまった。
「俺は お前に勝つ!」
リンキッドはその言葉に反応し振り向いた。
「生意気ほざくな」
鋭い目つきだった。
ドラテンの予選は基本的にレースで順位を決める。
海越の一次予選は石柱の間を抜けるレースだ。
「先生 タイタニアはBグループですね Aグループはリンキッド それに蛮行のサルバがいます」
「ああ でもBには古龍使いのタイエイがいる 決勝に5人も残るか?」
「え どういうことですか?
AとBで15人ずつ計30人で15人の予選通過者を決めるんでしたよね」
「そうなんだが
今回のはスタート地点がゴール地点でもある 同じルートを折り返すんだ
今回の大会レギュレーションによると
『ドラゴンの衝突を避けるため 折り返し地点一位通過者から30秒以内に折り返し地点に到達しなかった者は即脱落とする』ってある」
「え でも流石にタイエイもそんな速くは……」
「古龍は翼がない分 小回りが効く 今回はあいつの独壇場かもしれんな」
「で でも」
「まあ タイタニアに負けてもらうつもりはない “秘策”も用意しておいたから まずは上からAグループの観戦だ」
† † †
Aグループ総勢57名がスタートラインに立ち、スタートの合図を今か今かと待っていた。
「真竜のマノばっかりですね
タイタニアと同じアバロはほとんどいない」
「アバロは地上向きで 飛ぶことに関しては他の種類のドラゴンに比べて劣るからね」
「3…… 2…… 1……」
バーン
始まった。
と同時にサルバはスタートラインを横切り、石柱に体をぶつけ次々に薙ぎ倒していった。
「なんなの あれ」
「ルール上問題ない 『うまく操縦できなかった』って言えばいいだけさ」
石柱が倒れ後方の選手は、石柱自体や飛び散った石に妨害を食らった。
「石柱より高い場所を飛べばいいじゃない」
「それはルール違反だ」
その後も、サルバは蛮行を続けAグループのレースは終了した。
1位サルバ。2位リンキッド。3位……
計15人のAグループ予選通過者が決まった。
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第21話 一次予選の予選A を御読みいただきありがとうございます
今回はタイタニアの出る試合ではなかったので
あっさりと試合は終わりましたが
次回はタイタニアの出る一次予選の予選Bですっっ
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読んでくださるだけでも大変嬉しく思います
これからも読んでくださると幸いです。
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