第18話 使役魔法文法

ドラゴンの交換を経て、僕らの溝は徐々に埋まりつつあった。



「今日は使役魔法の実技を行う!」


(キタ! 僕の得意分野だ 


操琉に関しては勝てるわけないし 


数学も科学も前から授業を受けてるオリビアには負けるし 


社会はタイタニアが得意だし 


ここで最初の魔法文法テスト満点の意地見てやるっ!)


「っと その前にまず座学から 実技はその後ね」


「あ」


ややロイは肩透かしを食らった。



「まずは 魔法全体から タイタン君魔法は何種類あってそれは何かな?」


「え えっと まず使役魔法でしょ 


それに信仰魔法 


あと そう! 死神魔法! 


3つ 3つでしょ先生!」


「そう 3つ 


でも死神魔法は俗名で正式には代償のことわりだけどね 


でも信仰魔法と代償の理は受験では使いません 


一部の“聖”の付く学校は信仰魔法の知識が必要だったりするけど 


普通は必要ない 


信仰魔法は人それぞれだし 代償の理は使うこと自体禁忌だからね 


そして 使役魔法にも種類があるけどオリビア君はわかるかな?」


「“顕現” “幻影” “伝導” の3つよね」


「その通り! でも受験で問われるのは顕現のさわりの部分がほとんど 


それ以外は学校で学ぶんだ 


じゃあロイ君 使役魔法の原理を教えてくれるかな?」


「それはそこら中に漂う“魔素”に僕ら宣言者が使役魔法文法を通して超常現象を呼び起こします」


「その通り! そしてその文法は今回は顕現文法を じゃあいつまでも基礎の座学はつまんないから外出るよ」



僕らは外に出た。


冬にしては比較的居心地の良い天気だ。


「じゃあまず 僕が繰り出せる一番派手な魔法を見せるよ」


そう言って、先生は右手を強く握り締め左手を広げ天高く突き上げた。


「フゥーー 


今宣言者に助力せよ θシータξ クシー λラムダ エレト ダライバラス γガンマχ カイ γガンマ 


行けっ!」


上空に電気を帯びた巨大な球体が現れた。


それが上空に放たれ、天空を黄金に染め上げた。


僕らはそれに釘付けだった。



「おっと……」


先生は倒れる様に膝をついた。


「大丈夫ですか? 先生!」


「ちょっとね 余裕持ったのにしたはずなんだ

けど 


最近魔法使ってないからかな 


魔力が落ちてるみたい 


ハハ 昔は5キロはいけるって言われてたけど…」


「5キロってどういうことですか?」


「さっきの球の半径のことだよ 今のは2キロ」


「2キロ?!」


「よし じゃあおさらいしよう」


「もう大丈夫なのかよ先生」


「大丈夫 


まずはどの文法でも共通の“使役宣言” トリガーなんて言われてる 


さっきの『今宣言者に助力せよ』だね 


これはいろんなフレーズがあるけど一つ覚えとけば実技では十分 


テストだとそこも問われるかもね 


そしてその次は“起点宣言” 何も言わなくても両掌の中心 


厳密には違うけど 


一番魔素が溜まりやすい所になるから省かれることもある 


次に“属性宣言”顕現させる属性を決めるファアマは炎 


さっきのエレトは電気を意味する 


そして“動作宣言” これは顕現したものの動きを決定する 


これは無茶苦茶あってキリがないから顕現Iの教科書のは最低でも全部暗記してもらう


最後は“詳細宣言” これは動作宣言に使われる語“動作詞”によって色々違うから大変だけど 


それは顕現IIの範囲だから まだ覚える必要はないかな


まとめると


“使役宣言” “起点宣言” “属性宣言” “動作宣言” “詳細宣言” の順で唱える 


順番が違ったり 間違った語を使うと何も起こらない


じゃあ 君たちも使ってみよう」


その後、先生に教わりながら使役魔法の実技を終えた。


オリビアもタイタニアも教科書片手に簡単にやってのけるので、ロイはそこまで無双出来なかった。


(ちぇ)


[使役魔法文字は16進法αアルファとaは0πパイとpは15を表す。]


___

第18話 『使役魔法文法』 を最後までお読みくださりありがとうございます。


魔法文法は私がこの作品で最も力を入れて創った設定の一つです。


少しでも「いいな」と思ったらハートやフォローをよろしくですっっ


後書きの欄にいつもいつも「星欲しい!!」を入れていますが


自分の中で一種の縛りみたいになっていて正直やめたい……


星欲しい!!


ここを読んでくださる人はいるのでしょうか。


第19話もどうぞ

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