ドラコニック・テン
第19話 決意
「ねえ タイタニア?」
「なんだ」
「僕の家に最初に来た時にいた他の2人ってどうなったの?」
「あぁ リンキッドはデカリラに行くとか言ってた
レウリアは…… 台地に引っ越すとか言ってた 多分」
「なんでそんな話すのが嫌そうなの?」
「リンキッドのやつ受験勉強する前俺らに
『俺様はデカリラに行く 間違ってもついてこようとするなよ 無理だから』
って吐き捨てやがったんだ」
「酷い男ね」
「まあそもそも
あいつには人を見下す節があったのは知ってたんだけどさ
それに実際……」
「タイタニア!」
マーティン先生がドアを開けて、タイタニアを呼んだ。
「なんだよ先生」
「ドラテンの開催日と場所が決まったぞ!」
「本当!」
「ああ 開催日は6月7日 場所は去年と同じニヨク州だ」
「7月前かよ」
「そうなんだ でもそこもちゃんと考慮してくれるはずだから」
「ちょ ちょ ちょっと待って」
「ロイ君どうしたんだ?」
「ま まず ドラテン? ドラテンってなんですか?」
「ドラテンっていうのは 正式名称ドラコニック・テン
まあ簡単に言っちゃえばドラゴン操縦のうまさを競い合う祭りみたいなもんさ」
「祭りですか? タイタニアはそれに出るんですか?」
「もちろん しっかり練習してね」
「え 受験期ですよ そんなのに
「違うよ 受験のためさ タイタニアはジュート第一に琉者選抜で受けるんだ」
「なんですか “りゅうしゃせんばつ”って」
「琉者選抜っていうのは
一般受験とは別の枠で操琉に優れた者を優遇して入学させる制度なんだ
一般は150人 琉者選抜は50人の枠がある
ドラテンの成績は琉者選抜では大きく評価されるんだ」
「俺はさ あんまり勉強がロイやオリビアみたいに出来ないからさ」
「そう自分を卑下するな 琉者選抜だって簡単じゃない 去年の倍率は3.7倍だ」
「うげ 普通に高いですね
ってかさっき7月前がどうのこうの言ってましたけどどういう意味ですか?」
「ああ それは 一つ上の代が混じってくるってことだ」
「あー なるほど」
「厳しいのはわかってる でも先生 頑張るよ俺 リンキッドも出るだろうし」
「よし まずは一次3位突破だ!」
† † †
帰り際、僕は先生に話しかけた。
「先生」
「ロイ君 なんだい?」
「デカリラって難しいですか?」
「あー デカリラ武官学園のこと?」
「あ 多分そうです」
「うーん まあ確かにあそこは国内トップの難関だ
操琉の試験もあるしね ジュート第一の一般はないけど
行きたいの?」
「なんか僕 自分で決めてないなって思って
タイタニアは琉者選抜で
オリビアさんも初等学校に通ってたのに辞めたって聞きました」
「フィアマの成長的に操琉訓練ができるのは最後の3ヶ月ってとこかな」
「厳しい ですか……」
「応援するよ」
「え」
「私は君の決めた道を応援するよ 先生は信じるのが仕事だから」
[テトラゴラスでは王宮直轄州ジュートの中にいくつもの区があり、それ以外の州の中には町がある。そして、どの州にも属さない村が幾つも点在する。]
___
最後まで御読みくださりありがとうございます!
さあ始まりました 〜受験勉強編〜 『ドラコニック・テン』
タイタニアとその相棒ガングの奮闘をどうぞお楽しみに!!
少しでも面白くなりそう!!って思ったらハートとフォロー待ってます!!!
星欲しい!!
熱い展開が描けるよう頑張りますので
これからもよろしくおねがいします。
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