第15話 気遣い
「お風呂準備しますね」
「ご親切にどうも」
素気なくそう答えた。
「素直にありがとうって言えば萌えるのに」
小声でそう冗談を呟いた。
「何か言った?」
「いや別に それよりここの部屋使ってくださいベット広いんで2人で寝れると思いますよ」
僕は父の寝室に案内した。
「あなたのお父様は出張のようだけど
お母様はどちらに?
挨拶したいのだけれども」
「母さんは亡くなったんだ 僕が幼い頃に……」
オリビアは明らかに動揺していた。
「ご ごめん なさい」
「大丈夫気にしないで 僕母さんと直接会ったことないから思い出とかないし」
ロイは心配させないつもりで言ったが、その思惑は逆方向に働いた。
「もう お風呂入れるよ」
「あ ありがとう」
(気遣わせちゃったかな)
ロイは夕飯の準備に取り掛かった。
†◇† ⁂ †◇† ⁂ †◇†
「ねぇ モーガン」
「なんですか お嬢様」
「私 酷いことしちゃたかな」
「してもいいのでは」
「は どういうこと?」
「馴れ合うつもりは無いとおっしゃってましたので」
「そ それは 違くないけど……
ベーカー家として無礼を働くことは誰に対しても許されないの」
「そうなのですね」
「そうなの!」
「ロイ様は私達のことを気遣ってくださいました なので気にしないことが最善かと」
「わかったわ ありがとうモーガン」
「でも
時に人は気にして欲しい時もあります
寄り添いたくばその人の意思に準ずるべきです
先 上がりますね」
「……」
モーガンは早々に風呂を後にした。
「あの時も モーガンはきっと……」
◇ ⁂ ◇ ⁂ ◇
「ロイ様手伝いますよ」
「大丈夫 僕料理好きだから
あ でもそんな味に期待してもらっちゃ困るけど
あとロイ様はちょっと……
先生みたいにロイ君って呼んでよ」
「わかりました ロ ロイ君」
メイドさんは照れていた。
流石に君呼びは恥ずかしかったのだろうか。
[学校は、王の勅命によって作られた“王立”、国の公共団体によって作られた“公立”、王立・公立を除いたその他の“私立”の3種に分けられる。公立校は名前に国の公共団体の名が入っていることがほとんどのため、学校名の前に公立とつけない。]
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