第1閑話 「仕事をせねば」

イチブ村に彼は本に囲まれて生活していた。


「そろそろ 仕事しないとな〜」


コンコン 


その時誰かがドアを叩いた。


本が散乱する道なき道を掻き分けドアへ向かった。


「なんの御用件で?」


そこには、1人の男性が立っていた。


「マーティン・べハイム先生ですよね?」


「そうです 先生って呼ぶってことは 仕事ですか?」


「話が早くて助かります 


私ダロス・ランドと申す者なんですけど 


息子タイタニアの家庭教師をお願いしたいのですが……」


「もちろんです!」


彼は食い気味に答えた。


「ありがとうございます」


「では 明日早速伺いますね 家はどちらに」


「え あ はい 家は……」


「では また明日」


バタン


「仕事キター これで餓死しなずに済む」


彼はニートだった。


特に仕事もせず一日中本を読んで惰眠を貪っていた。


そして定期的にお金が無くなると、家庭教師の仕事をして食い繋いでいた。



  † 翌†日 †



「今日から仕事〜 ふん ふふん 給料 給料」


彼は上機嫌でタイタニアの家へ向かう準備をしていた。


ドアを開けると、そこには女の子と正装の女性が立っていた。


「どちら様でしょう?」


「あ あの」


その女の子は声を振るわせそう言った。


「お嬢様 ここは私が マーティン・べハイム先生で合っていますでしょうか?」


「なるほど 


どう言う経緯かは分からないけど 


どんな要求かは把握しました 


その子の家庭教師になればいいんでしょ」


「その通りでございます」


「先客もいるからさ 


まあ 一旦付いて来てよ」


コンコン


「家庭教師のマーティンです」


「あ はーい」


家からはタイタニアの母親が出てきた。


「あなたがマーティン先生ね どうぞ中へいらしてください 


あれ そちらのお2人は?」


「こちらの女の子も一緒に勉強したいそうで」


「い 一緒なんて言ってないわよ」


「え じゃあ 君の家庭教師はできないけど」


「お嬢様」


「わ わかったわ でも別に馴れ合う気はないから」


「最初っから仲良くなんてしてくれなくてもいいわ そのうちで」


「お母様は大丈夫なんですか?」


「もちろんよ タイタニアにかわいいお友達が増えるだけじゃない」


「そう言っていただけるならありがたいです」


「じゃあ 早速テストから」


テスト後


「オリビアちゃんで合ってるかしら」


「はい そうですお母様」


「あら お母様って言ってくれるの嬉しいわ でもおばさんでいいわよ」


「いえ それでは……」


「じゃあ 間をとっておば様って読んでちょうだい」


「わかりました ところで おば様 何か用ですか?」


「見たところここら辺に住んでるわけではないのよね 家は近いの?」


「いえ 家はジュート台地の方なのでだいぶ遠くです」


「あら そうなの じゃあ今日泊まるとこはあるの?」


「え まあ 近くの宿にでもと思いましたが」


「やっぱり イチブ村には宿は無いわよ」


「え そうなんですか どうしましょう」


「狭いけど泊まっていきなさい」


「いいんですか?」


「いいわよ オリビアちゃんいい子そうだし」


「お母様 ご迷惑おかけしますので……」


「モーガンさんもいいのよ」


「で でも」


「行くあてもない女の子2人を外に放り出して置けないでしょ」


「では せめて家事のお手伝いさせてください」


「私も!」


「オリビアちゃんは勉強に専念してていいわよ 


そうだ! じゃあ今日は皆んなでパーティーしましょう 


モーガンさん 手伝ってくれる?」


「もちろんです」


「マーティン先生帰らないでください」


「え 僕もですか?」


「もちろんよ」


先生は教え子2人とその母とメイドの計5人で夕餉を楽しんだ。


___

最後まで読んで頂けること深く感謝申し上げます。


閑話というのを設けてみました。


ここの世界観をほのぼのした日常を通して表現できたらなと思っています。


本編に直接関わる訳ではないので


気軽に読んでいただけると嬉しい限りです。


ハートとフォローをお願いしたいです。


星欲しい!!


次回は普通に本編です。


読んでくれれば大変喜ぶことができます!私が

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