第14話 動揺

ガチャ。


「父さーん あれ? お父さーん」


返事がない。


「と とりあえず中入ってください」


「お邪魔するわ」


「失礼致します」


ダイニングテーブルに置き手紙があった。


➖ロイへ


出張に行きます


受験の間オリビアちゃんとモーガンさんを家に泊めておくことは了承済みです


さすがにタイタニアさん家に頼りっきりはまずいと思うので


仲良くお願いします


父より➖


父が敬体で文を綴っているのに多少の違和感を覚えながら、何度も読み返した。



  ‡◇‡ ‡◇‡ ‡◇‡



「は」


一瞬何を言われたのか分からなかった。


(オリビアと同居? なんでだ なんでそんなことに?)


詳細を一刻でも早く聞きたかったが、聞くタイミングを見失った。


昼食のカレーも一切味がしなかった。


初めての授業も上の空。


いつの間にか授業は終わっていた。


「じゃあ今日の授業はここまで」


「せ 先生ちょっといいですか?」


僕は先生を呼びつけ、耳打ちした。


「オリビアさんは僕と同居すること知ってるんですか?」


「もちろん あ あとモーガンさんもね」


「誰ですか? モーガンさんって」


「ああ あそこに立ってるメイドさんだよ」


(ベーカーさんのメイド?!)


「ちょっとロイ君 帰らないの?」


彼女は言った。


玄関で彼女とメイドさんが待っていた。


「う うん」


僕は馬鹿にされまいと平然を装った。


すると、タイタニアのお母さんが駆け寄ってきた。


「ロイ君ごめんね うちがもっと広ければよかったんだけど……」


「い いえ 勉強場所を用意してもらっているので」


「あら そう オリビアちゃんも色々振り回しちゃってごめんね」


「私は大丈夫です おば様 むしろ寝室を丸々使わせてもらって申し訳なかったので」


「2人は とてもいい子ね じゃあまた明日」


「はい!」

「はい!」


「お母様 これからもお世話になると思いますが本当にご迷惑おかけしました 明日からも是非お手伝いさせてください」


「モーガンさんも いい人ね そんなに頑張ってくれなくていいのに」


「いえ 頼るだけではいけないので」


「わかったわ じゃあまた明日」



僕はオリビアの竜にモーガンさんと乗って家路についた。


ロイは女性に挟まれるのが初めてだった。


(こんなにいい匂いがするものなのか?)


[筆記試験では数学・科学・社会・獣学・使役魔法等を主に出題される]


___

第14話 『動揺』を読んでくださりありがとうございます!


時系列通りではない書き方をしてみました。


いつもいつも言っていますが


本当にハートやフォローしてくださると今後の創作意欲に繋がります!


どうかよろしくお願いしますね!


星欲しい!!


読んでいただいたこと、感謝してもしきれないくらい嬉しいです。


ではまた次回。

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