第11話 庶幾

次の日その男は家に来た。


父を見送った後のことだ。


「ロイ君でいいんだよね?」


「え あ はい」


「じゃあ 早速行こっか 準備して 外で待ってるから」


そう彼は外に出て行こうとドアノブに触れる手前、ロイは彼の手を掴んだ。


「ちょっと 話くらい聞いてください!」


彼はロイのあまりの気迫に驚いたようだった。


「何のこと?」


「昨日 父があなたのこと家庭教師だとか言ってましたよね? 


そのことについてです」


「あれ 聞いてなかったの?」


「聞いてませんよ そんな話」


「そっか」


「はい」


「君は今11歳だっけ?」


「10歳です 今年で11ですけど」


「君は再来年9月学校に入学する」


「学校に 行けるんですか!」


ロイの目は輝いていた。


家にいた記憶しかない彼にとって学校は外の世界の憧れの一つだった。


「勿論だ 義務だからな 


それで私は君の行きたい学校へ行くお手伝いを任されったってわけ 


これでいい?」


「わかりました!」


「じゃあ とっとと準備して 


二人の教え子が待ってるから」


ロイはすぐに準備をし始めた。


つま先から靴に入れ、右左の順で足を上げ踵を入れる。


ドアを開けた。


「その子も一緒に行くの?」


「はい! 僕の大切な友達なので」


ロイはリュックを背負い、両手でフィアマを抱いていた。


先生の竜は真竜のアバロ(四足歩行)だった。


先生は竜に乗り、僕に手を差し伸べた。


「え 乗って大丈夫なんですか?」


「それ以外どうやって行くの?」


「え でも ドラゴンって認めた一人のライダーしか乗せないんじゃ……」


「そんなことないと思うけど 躾け方の違いじゃない?」


(躾け方の問題かよ あんな怖い思いさせやがって)


「ほら 早く乗って」


ロイ、マーティン先生は南東へ向かった。


風が心地いい。


あの時とは比べ物にならない安心感だ。



  † † †



「ほら 着いたよ」


「ここは?」


「教え子のうちの一人の家だよ」


(なんか見覚えがあるような……)


トントントン


「はーい」


「ん」


(その声 どこかで……)


ドアが開き、声の主が出てきた。


「お前は!」

「お前は!」


[学校には様々種類がある。幅広く知識を深める“総合”、使役魔法に強い“魔官”、操琉術・体術などに強い“武官”、宗教系で信仰魔法に強い“聖”がある。竜、龍二つをまとめて、りゅうと書く。]


___

最後まで読んでくださり本当に嬉しいですっ!


ヒロインは次の第12話から描かれます。


どうやらご令嬢だそうで、こんな田舎にどうしてでしょうか。


しまった!ネタバレしてしまいました!


とりあえずハートとフォローを!


星欲しい!!


私めの作品を読んで少しでも楽しんでいただけたのなら本望です。


ありがとうございます。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る