受験勉強編
第10話 糸目の家庭教師
「ちょっと行ってくる」
バタン
そう言って父は家を出て行った。
「はーい」
10分もしない内に父は帰ってきた。
戸を開けるとそこには父ともう一人いた。
糸目で父よりやや背が高く180cmはありそうな痩せ型の男が。
「こちら マーティン・べハイム先生だ」
「どうも ニートで〜す」
そう腑抜けた声で言った。
「じゃ 後頼みます 先生!」
「は?」
空いた口が塞がらない。
でもそんなことより、ベージュでまとまった服に真っ赤なシルクハットがとてつもなく似合っていなかった。
そんな疑問を知る由もなく、彼は続けた。
「じゃあ 早速テストしよっか」
「え?」
もう意味がわからない。
しかし気づいた時にはもうテストが始まっていた。
-数学 60分-
「ねぇ 先生のことどう思う?」
「テスト中に話しかけないでください」
-科学 30分-
カキカキカキカキ カキカキカキカ
シューッ シューシュッ
(採点してんのかよ… ってかさっきバツつけたやん)
-魔法文法 30分-
カキカキカキカキ カキカキ
シューッ シューッ
「はあ 疲れた ってか いきなりどういうことですか?」
「採点中に話しかけないでください」
「うぐ」
(あれ 父さんは?)
父はもう出払ってしまったようだった。
数分後。
「オッケー 採点終わりっ!」
「先生! それより話聞いてください!」
「数学100点満点中 ジャカジャカジャカジャカ」
(セルフかよ)
「ジャン! 89点」
「まあ 満点じゃないのは知ってたよ」
「次! 科学50点満点中
ジャカジャカジャカジャカ ジャン!28点!」
「おっ おう」
「最後!魔法文法50点満点中
ジャカジャカジャカジャカ ジャン!
なんと」
「おっ!」
「なんと! 50点!」
「おー まあ顕現Ⅰの範囲くらい余裕っすよ」
そう得意になっていると、先生は無視して話始めた。
「数学はちょっと簡単すぎたね
科学はまあそれなり
魔法文法は流石と言ったところかな」
「先生は僕の何を知ってるんですか?」
「あー ごめんごめん なんでもないよ
これなら余裕であの子達と一緒にやっていけそうだ」
「あの子達ってだれですか?」
「明日紹介するよ 今日は自己紹介とテストだけが仕事だから」
そう言って、鞄の中に答案用紙をしまい、颯爽と玄関へ向かった。
「じゃあ また明日ね」
バタン
掴みどころのない先生だ。
[テトラゴラス王国では、親は子が満12歳に達した日以降の最初の9月1日から、満15歳に達した日の属する学年まで、学校教育を受けさせる義務を負う。それ以前の教育は、田舎の方だと遠かったり、子の移動手段がなかったりするため強制ではない。]
___
最後まで読んでくださりありがとうございます!
上で何やら堅苦しい事が書いてありますが要約するとこうです
テトラゴラス王国では日本でいう中学校のみが義務になっている
ただそれだけです。
勉強だけで単調でつまらない話が続かないよう
ワクワクできるような展開を用意しています。
これからも見ていただけると大変嬉しく思います。
ハートを押してください!!
まだフォローしていない人は是非!!
星欲しい!!
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