第2話 三人のロキ

「“顕現”って意外と奥が深いんだなー 


浅いところだけ触れて『余裕』とか言った自分が恥ずかしい」


『使役魔法 〜顕現〜 Ⅱ』

と書かれた書物をめくり、相槌を打っていた。


トン トン トン


(父さん? やけに早いな忘れ物かな)


「はーい」


ドアを開けるとそこには自分と同じくらいの年齢の少年が3人とその後ろに竜がいた。


「お前 ロイ・スチュワートだな」


真ん中の少年が言った。


「そ そうだけど 誰?何で僕の名前を?」


すると真ん中の少年から右左の順に名乗り始めた。


「俺様はリンキッド」


「俺はタイタニア タイタニア・ランドだ」


「俺はレウリア・ミチフだ」


どうやら真ん中の少年が2人を率いているらしかった。


「俺様は知ってるんだぞ お前“道無し”らしいな」


少年らはクスクスと笑い出した。


心地良くない笑い方に少々語気を強めてこう言った。


「何だよ“道無し”って それはそんなにおかしなことなのか?」


「おかしいも何も ‘有り得ない’ だな 


世間知らずなお前に教えてやるよ


“道無し”ってのはドラゴンを従えてない奴のことを言うんだ 


ここら辺でドラゴン従えてないのお前くらいだぞ」


「可哀想だなぁ 一生ここで過ごすのかよ」


「お前は今もこれからも お留守番してな!」


3人は高らかに笑い出した。


悔しかった。


僕は悔しかった。


だから嫌味ったらしく言ってやった。


「お前らの竜 そこらへんにいっぱいいる

“真竜”じゃねーか 


僕だって従えようと思えばすぐに従えられるし」


左右の少年は従えてない奴がごちゃごちゃ言うなと言わんばかりの形相だ。


しかし真ん中の少年だけ気味の悪い薄ら笑いを浮かべていた。


「道無しはドラゴンの知識すらも乏しいな! 俺様のは真竜ではなく“能竜”だ!」


“キマった” 彼はそういう顔をした。


「は? それ真竜の“マノ”だぞ 


能竜は前腕が翼の形になっていて後脚との間に中腕を持つんだ 


でもお前のは翼に手の形が無いから能竜じゃない! 


それにこんなところに能竜なんかいねーよ! 


希少種何だぞ!」


「は? ごちゃごちゃうるせーよ 


意味わかんねーし」


「リンキッドもう行こうぜ」


「あぁ そうだな」


彼らは竜に乗り、僕に向かってあっかんべーをしながらどこかへ飛んでいった。


「バーカ バーカ」


彼らはそう吐き捨てた。


聞こえないふりをした。


その晩僕は父さんに泣きついた。


[能竜はドウリュウと読む 真竜の二足歩行をマノ、四足歩行をアバロと言う]


___

最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。


わかりにくい能竜ですが、バハムートだと思ってくれれば結構です。


第1話に引き続き第2話を読んでくれたそこのあなた!!


もういっそ作品をフォローしてしまいましょう!


で……できればでいいですからね?


ハートだけでも……


星欲しい!!


見つけてくださりありがとうございます。


引き続きよろしくお願いいたします。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る