僕と竜とが生きる空

青いカブ

かわたれ編

第1話 狭い世界

「ふぁーあぁ」


(ん、今何時だ?)


時計を見て僕は驚愕した。


「あーー! やばいヤバいやばい もうあと30分しかない!」


急いでベットから飛び起き台所へ向かった。


朝は強い方ではないのだが、今日は目がはっきりと開き頭も冴えていた気がした。


慣れた手つきで、2つのフライパンを操り卵焼きと肉の炒め物を作った。


それを僕は弁当箱に詰めて家を出た。


そこには竜を撫でる父がいた。


「はい お父さん」


「おー ロイ 今日はいつもより遅かったじゃないか まあ時間前だけど 珍しいな」


「ちょっと寝坊して」


苦笑した。


「そうか じゃあ行ってくる 留守番よろしく 弁当ありがとな」


「うん いってらっしゃい」



  ✴︎ ✴︎ ✴︎



ここイチブ村は辺境の辺境いわゆるど田舎だ。


標高200mから300mの緑に覆われた石柱がそこら中に散らばっている。


雲のせいで下の方はあまりはっきりとしない。


とても人が住みやすいとは言えない。


それが故のど田舎だ。


隣人なんかいない、一つの石柱に一つの家が普通だ。


北の方に行けば家が万も建てられるという広い台地が広がっているのだとか、僕は行ったことがない。


いや本当は行けないのだ。


僕はドラゴンを従えていないから。


この村、というかこの世界ではドラゴンが最も身近でポピュラーな移動手段だ。


人はドラゴンを敬愛しドラゴンもまた人を敬愛する。


信頼関係を築くために幼少期にはドラゴンの幼獣と一緒に育つのが普通だ。


でも僕は普通じゃなかった。


どこにも行けず孤独だったが、普通を知らない僕は普通を求めず、虚しくはなかった。



彼らが訪れてくるまでは……


[ドラゴンには竜と龍があり区別をしている。人の様に種類も様々だ]


___

最後まで読んでくださりありがとうございます。


よかったらハートを押していただけると幸いです。


星欲しい!!


今後の創作のモチベーションになります。


現実的な異世界ファンタジーをここに送ります。


第2話も読んでいただけると大変喜びます。

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