出逢い
幸隆のプロフィール、写真は近所の海を撮ったもので、名前はたか。
28歳 独身、よろしくです。
たったそれだけしか入力しなかった。
布団に転がりながら、良い出会いでもあればいいな。なんて少し期待しながらスマホを枕元に置き、いつの間にか寝てしまっていた。
気が付けば朝、カーテンの隙間から日差しが入り眩しさと眠さで目を顰めながら枕元に置いていたスマホを手に取った。
SNS内のメール機能でさっそく一件のメッセージが送られてきていた。
メッセージ内容は、よろしくの一言だけだった。
名前はそら。まぁニックネームだろう。
住まいは同じ県で、年齢も同い年のようだ。
プロフィール写真は空と雲の写真だ。
幸隆はとりあえず返信する事にした。
「はじめまして。メッセージありがとうございます。こういうの初めてで何を話して良いのか分かりませんが、よろしくお願いします」
今日は休日だし幸隆はとりあえず部屋の掃除をする事にした。
掃除機をかけ終わり、スマホを開いてみると、そらからメッセージが来ていた。
「たかは彼女いないの?」
いきなり呼び捨てとはなんて馴れ馴れしい奴だと思いながらも幸隆はすぐに返信した。
「いたらこんなのしないよ。そらさんこそ、彼氏いないの?」
数分後に返事はきた。
「いない」
それから他愛ない内容のメッセージのやり取りをし、二人は意気投合し話も弾み出した。
電話番号の交換もし、毎日のように話すようになった。
幸隆は考えた。
楽しいし、良い人そうだけど、どうせこの女も自分の事しか考えてないだろうし、仲良くなってもどうせ裏切るんだろな
それなら適当に遊んでやるか。
幸隆はそらを誘いだすことにした。
思い立ったら即行動だ。
そらに電話をかけ、ディナーのお誘いをした。
「洒落た店は知らないけど、ファミレスでも行きませんか?」
数秒間、間が空き、そらのクスッと笑う声が聞こえたと思うと「いいよ」の返事をもらった。
まぁ初デートでファミレスはキツかったかななんて思ったが、幸隆はまったく洒落た店などには疎かった。
「じゃー土曜の6時、現地で待ち合わせでいいですか?」
今度は間が開かずに答えてくれた。
「わかったー。じゃー土曜ねー」
この日の電話はこれで終え、幸隆は布団に入り、デートの日、ご飯のあとどうしようかなどを考えながら眠りについた。
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