あなたへのキス
あなたの唇は柔らかくて、あなたの手は暖かくて、あなたの声は耳にやさしく甘い。けれどあなたの言葉はわたしに向いていない。
それでいいんだ。という気持ちと悲しみと寂しさ。
マスク越しに鼻を押し付けあったあの日を覚えてる。
あの時触れたおでこの体温を覚えてる。
こんなに好きなのに。
ってこの気持ちは、でも、もしかしたら、ただの性欲なのかもしれない。
独占欲と愛情は違うことは知ってても独占欲の発生源はまだわからない。
あなたの全部が欲しい。
胃に収めて消化して吸収して私の一部にしたい。
もしくは、私をあなたの一部にしてくれたらいいのに。
そしたらどれだけうれしいか。
でもね、でもね
あなたには幸せになってほしいの
結婚して子供を作っておじいちゃんになって孫を抱いて、幸せに生きて、死んでほしい。
私の近くにいるときっとそうはならないから。
本当は私はあなたの前から消えるべきなんだろうと思う。
なんて、あなたがこっち見てくれないのを認めないための言い訳かもね
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