たくさんの人の中で。
商店街のようなところを歩いている。パン屋さんを素通りしてコーヒースタンドも素通りしてCDショップに足を進める。商店街の一番端にある灰色がかった白いビル。開け放たれた防火扉をくぐり蛍光灯がチカチカしてる薄暗い階段を上ると夢の世界が待ってる。
大きめの音量で街中では聞くことのないようなおしゃれな音楽が流れてる。照明もおしゃれだ。光源はたくさんあるのに全体的に少し暗い。オレンジ色と茶色に沈んだ色とりどりのCDとレコード。書籍。”おとな”はここにはいない。安全地帯。すっと呼吸することが楽になる。体の力がぬける。HPが回復していく感じ。
気持ちが落ち着いたのでCDショップをあとにして歩き出す。アウトレットモールのような場所に出る。先ほどより人が増えた。お店に囲まれた中庭のような場所に丸い机といすが並んでいる。ガラスの向こうでお姉さんがワッフルを焼いてる。ドーナツ屋さんにチョコレート専門店。サンドイッチ、ホットドック。
キャラメルとナッツがのったワッフルを購入し歩きながら食べる。
いつの間にか駅前のビル群のような場所に迷い込んだようだ。エレベーターとエスカレーター、連絡用通路が入り組んでいて現在地が把握できない。さらに人が増えた。落ち着いて座ってコーヒーが飲みたくなって喫茶店を探す。案内板を見つけたがこの階に喫茶店はないようだった。
さて、上るか、下るか。
ぼくはどうしようもなく途方にくれてしまう。
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