正しい姿
あの人は朝から出掛けたらしい。いつもなら用事が済めばまっすぐ帰ってくるが今日は違った。どこか僕が知らない場所で時間をつぶしたようだ。
出掛けた先で良い出来事があったのかもしれない。いい気分になってもう少し外の世界を楽しもうと思ったのかもしれない。
あの人にとって外の世界が楽しい場所であればいいと思う。
それは、ほんとうに、心の底からそう思う。
それと同時にさみしさのような黒い気持ちが僕を襲う。
あの人にも僕以外の友達は必要で、できるだけたくさんの場所で人間関係を構築することは僕たち人間にとって割と大切なことで、つまり、僕にもあの人以外の友達は必要なはずで。
けれど、僕は現状あの人一人の存在だけで心を満たしていて。それはとても間違っていて。
黒い気持ちの発生源はこのあたりの「間違い」にあるんだろうな、なんて考える。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます