恋人 学年一の幼馴染ver
「じゃあ行こっか」
美鈴が俺の手を取り立ち上がる。
手を繋がれているから俺も立ち上がる。
「……どこに?」
「私の部屋だよ」
「……どうして?」
「どうしてって、海斗はこれから私の部屋で暮らすんだよ?」
「……どうして?」
「だってずっと一緒にいたいんだもん」
「……どうして?」
「大好きだから」
んー、さっき監禁だとか物騒なワード出てたけど本気だったのか。
エイプリルフールしてるのかと思ったよ。
「えっと、ごめん」
「…………………………………は?」
低い声が部屋に響く。
美鈴が俺の顔を覗き込む。
あはは、怖いな。
「いや、違うんだよ。俺は毎日美鈴とのラブラブを周りの生徒に見せびらかしたいんだよ」
何言ってんだろ?
でも監禁は絶対に嫌だ。
何としてでも回避する。
「……そっかぁ。嬉しい!うーん、じゃあ約束して。私以外の女に近づかないで。話さないで。触らないで」
……無理じゃね?
「わかった。絶対に約束する」
まあ、美鈴も四六時中俺と一緒にいるわけではないだろうし。
バレなきゃいいんだよ。
「はい、これ」
「ん?」
美鈴からあるものを手渡される。
小さくて黒い何か。
「盗聴器。ごめんね、海斗のことを信用してないわけじゃないんだ。でも、もしものことがあったらお互いに哀しいよね。だから常時身につけていてほしい。ダメかな?」
美鈴が上目遣いで甘えるように言う。
……いや、甘えられて頼まれてもな。
「……いいよ」
断ったら監禁。
この答えしかないんだよな。
「うん、ありがとう」
あ、良いこと思いついた。
「なんか、俺も少し不安だな。ということで美鈴にも盗聴器つけたいんだけどいいかな?」
分かっただろ?盗聴器をつけられることに対する嫌な気持ち。
だから、もう盗聴なんて止めよう?
「いいよ。はい」
美鈴に笑顔で手渡される。
黒い何かを。
たぶん盗聴したのを聴くやつと思うんだけど……なんで持ってんの?
「うん、ありがとう」
「私のことも盗聴でも盗撮でも何でもしていいから。えへへ、これでお互いに安心だね」
とてもとても不安です。
まさか迷うことなく渡してくるとは……。
男と話さないわけ?
「うん、そうだね」
◆◇◆◇◆◇
「じゃあ、また明日」
「うん。またね」
美鈴が手を振って玄関から出ていく。
俺は美鈴に手を振り返す。
外はもうすっかりと暗くなっていた。
美鈴とは恋人となった。
嘘告したのは俺だ。こんなこと予想はしていなかったけど、ちゃんと受入れようと思う。
まさか、美鈴がヤンデレだったなんて驚いたけど、きちんと好きになろう。
……なれるはず。
それにしても今日はもう疲れた。
早くご飯食べてからもう寝よう。
なんだろう。すごく大事なことを忘れているような気もするけど……。
まあ、いっか。
◇◆◇◆◇◆
「そろそろ返事しなきゃ。ねぇ、せんぱい♡」
―――――――――――――――
大変遅くなりました!
本当に申し訳ございませんでした!
学校が始まってから忙しくて書く時間が確保できなくて。
でも、慣れてきたので次話投稿は遅くても1週間後にします。
面白かったら星とか応援おねがいします!
ゴールデンウィークは……ははっ
まあ、満喫してましたね。
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