第14話 真
「終わり」
私の一言が夜の虚空に響く。
テッドは無言だ。
「あの人は私を見捨てた」
傍らの血まみれの銃が死を誘う。
喉にこれを押し当て引き金をひこう。
この銃の弾は何発だ?
私の銃だ。私の意のままに動くだろう。
「仲間の死体が見えるかい?」
テッドの声。
「お前と俺が殺した。そして」
テッドの銃が私に向く。
「ボスは俺たちを生かした。」
ぱんっ。
「俺には分からなぃ」
テッドのか細い声に生気は宿らない。
私の目の前にまた死体ができる。
私は銃弾を空に放つ。
この銃弾が私を殺す。
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