第34話 NYの怪事件【屋敷編3】
紫々森がそっとドアを開けて、その先を見た。
誰もいない事を見てから誘導した。
1階の通路には、赤いじゅうたんが敷いてあり、ガラス製のオレンジに光るランプが等間隔で設置してあり、それは50メートル程、続いていて、通路が終わると上へ上がる階段と正面玄関のドアが見えた。
階段の左右にはエレベーターがあり、エレベーターの前には見張りがいた。
そのエレベーターの先にも通路があり、そこから、白衣を着た人物が歩いてきた。
白衣を着た人物は階段の裏に周り、カードキーを出して階段裏の隠し扉を開けた。
それを見た全員は作戦会議をして、次に来る人物を待ち、次は白衣を着た女性が歩いてきた為、慎吾がウォーターの魔法を使って自分の身体全体を水にして、女性の足下に移動した。
そして、女性がカードキーを使った瞬間に身体を元に戻して、今度は女性の顔を水で覆った。
女性はモゴモゴと水の中で何かを言っていたが、慎吾が水の刃を首元にあてて脅すと黙り、そこへスノー達が走ってきた。
紫々森 これは凄い!階段裏に隠しエレベーターか。で、どこに続くんだ?
エレベーターのボタンは地下へ行くボタンだけだった為、押して地下へ行った。
地下に到着すると、そこは何かの研究施設になっていた。
研究施設には、水が入った大きな機械がいくつもあり、そこには、子供が裸で口には酸素マスクを付けて浮かんでいた。
紫々森 You guys, how are you experimenting here?
(お前達、ここで何の実験をしているんだ?)
女 I can't say!(言うわけないでしょ!)
スノー 奥から何か聞こえるよ!
小山 どうやら、人体実験のようだな。
慎吾君の勘は半分、当たりみたいですよ。ここに書いてあります。
小山が机にあった資料を見ながら話した。
そして、声のする奥の部屋へ行き、扉を開けると、
そこでは、水浸しの小さな子供をベッドに無理矢理縛りつけて白衣を着た男達が注射器を持って話していた。
その周りには黒スーツの男が二人、手を後ろにして見守っていた。
慎吾 hey!
(おい!)
白衣の男がマズい!といった表情をし、いっせいに振り向くと、注射器を素早く子供の腕に刺した。
子供が苦しみだし、喉を手で抑え、身体全体が痙攣を起こしはじめた。
紫々森 What did you do!
(何をしたんだ!)
銃を男達に向けて聞いた。
すると、子供の呼吸が止まり身体が膨らみだし、バーン!と破裂した。
Fuck! It's a failure!
(クソ!失敗作だ!)
慎吾 何て残酷な事を!許せねー!
そして小山がノートを見ながら話しだした。
ここに書いてありますねー。どうやら、子供を使って人間のモンスター化実験をしていたようです。
慎吾 つまり、人間を魔獣にしちまうのか?
小山 早い話し、そのようです。ただ、魔獣だけじゃなく、魔人化する実験も兼ねているみたいですよ。
慎吾 それなら、零時のやり方の方がよっぽどマシだ!
慎吾が水刃で一番近くにいた男の首をはねると、男達は自分に注射器を使い、ゴブリンに変化させた。
男達の口からよだれが垂れ下がり、襲いかかってきた。
スノーが素早く戦闘態勢になり、1体に噛み付き腕を引きちぎると後ろにいた二人のゴブリン化した研究員が足を一瞬止めた。
そこを紫々森が素早く銃を撃ちこみ、2体の顔面が爆発し、吹っ飛んだ。
その間、小山が部屋にあった材料で毒薬を作り、注射器に注ぎ女の腕に当てた。
小山 It's an instant death agent!
If you don't want to die, don't move!
(即死剤だ!死にたくないなら、動くなよ!)
女 Yes!
女は両手を上げて観念した。
倒したゴブリンの身体から魔力が出て慎吾達に注がれた。
そして小山がカルテを使いゴブリンの情報を収集した。
Name ゴブリン
Lv 5
特徴
肉食であり、肉と魂を好み食べて生きている。頭脳は原始的で、身体能力にたけていて素早く、力もそれなりに強い。が、魔法が使えない種族な為、魔界では弱い魔人種に指定されている。
小山 Lv27→28
紫々森 Lv3→Lv8
にそれぞれ、上がった。
そして、女に生存している子供達の場所へ案内するように話した。
女の話しによると、屋敷に来た子供達は全員、機械の水の中に入っている。と話した。
紫々森 絶望的だ。
小山が実験資料を読みながら希望を話した。
小山 いや、まだ元に戻るかもだよ?
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