第24話 怪事件1 中編
零時達は教会の近くにある下水道へ行く為にマンホールを開けて下に降りた。
中は真っ暗だった為、太陽光を入れる為に先に零時だけが降り、マンホールの蓋は開けておき、次に紫々森が降りた。
アルビーは蓋を閉める役目と外の見張りに付いた。
中では水が中央に流れていて左右には点検の為に人が歩ける道があった。
紫々森が持っていた懐中電灯で辺りを照らすと水の音に混ざってネズミの鳴き声が聞こえてきた。
紫々森 零時くん、どちらに行こうか?
零時 んー。僅かだが魔力は左から流れてきている。しかも、この魔力は古くさい魔力だ。
紫々森 古くさい?ですか?
と、とりあえず左ですね?行きましょう。
紫々森は足下に気を配りながら、ゆっくり左の道を進んだ。
真っ直ぐ100mほど進んでいくと、次は右に曲がり、また真っ直ぐ300m進んだ。
そこで零時が紫々森を呼び止めた。
待て!近いぞ。俺が前に行こう。
紫々森 ラジャー
紫々森は後ろから零時の先を懐中電灯で照らしながら歩いた。
そして左右に分かれた道に出ると水の中から体長1mほどの大ネズミが飛びかかってきた。
零時がそれをかわすと大ネズミは壁に激突したが、すぐに起き上がり、長い前歯を剥き出しにしてきて、零時の頭上に飛び上がった。
バンッ!とゆう音が鳴ると大ネズミの体から血が噴き出した。
紫々森が撃った銃弾が当たった。
紫々森 零時くん!今のうちに!
零時がすぐに魔剣を呼び、大ネズミの体を真っ二つにした。
真っ二つになった体は水の中にボタボタと落ちていき、大ネズミを倒した。
紫々森 逃げるんだ!
って、言おうとしたのだけど苦笑
零時 ふむ。これくらいなら慎吾を連れてきたら良かったかも
しかし、微量とはいえ、ネズミに魔力が宿っているのは変だな~
紫々森 と言うと誰かがネズミに魔力を与えたと?
零時 分からん。まだキナ臭い魔力は奥から続いている。この先は俺だけの方が良いかもしれんが?
紫々森 まだ、いるんですか!?
いえ、自分の目で確認しインターポールへ伝える必要がありますから。頑張ります!
紫々森が銃を眺め、銃弾数とロックを確認しながら慎重に零時に付いていった。
零時は、うなずき先へと更に100m進んだ。
紫々森 うわっ!これは!
紫々森が服の袖で口を押さえた。
そこには人間の頭蓋骨が1つだけ、転がっている場所があった。
紫々森 変だな?血痕が辺りに全くない。
零時 敵は中々、知恵のある者のようだな。しかも、この世界に慣れている。天使の後に来た者では無いようだ。
・・・であれば、俺より前にこの世界にいたのか?それとも俺が来たのと同時期くらいか?
バシャン!バシャン!
次は大ネズミが3匹、同時に水の中から出現した。
零時 下がれ!
紫々森が後ろに下がり零時に背を向けると
バチバチ!バチバチ!バチバチ!
とゆう音と青い光りが見えた。
零時 終わった。もう良いようだ。
紫々森 さすがです!いったい、どうやって?
零時が人差し指と親指をくっつけて離すと電気がビリビリと見えた。
零時 雷撃。雷魔法だ。水を体につけたまま、襲ってくるとはバカな魔物である。
・・・魔物が複数か。この世界では初めてだ・・・
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