第21話 覚醒
美羽の血で全身が真っ赤に染まった零時に天使は更なる追い打ちをかけてきた。
天使の手に長い槍が出現し、零時の頭上から音速で飛んできたのだ。
零時は静かにそれを見上げて、槍を摑もうと手を動かし槍を摑んだ。
槍の先が零時の額寸前で止まった。
シネ~!ニンゲ~ン!
天使が甲高い声で叫び長い髪を零時に巻き付けてきた。
その時、零時の手から紅いオーラが血に混ざって、溢れだしてきた。
続いて目が金色に光り、腕の力が増してきた。
そして、槍ごと天使を壊れたビルの瓦礫へ放り投げた。
ナンダ、コノチカラハ?
俺はコール。魔王が1人である
零時の髪の毛が銀髪に変化していき、赤黒いオーラが身体中から溢れ出した。
まさか、この姿に再び戻れるとはな。
零時が天使に向かって歩いて近づいていった。
オマエ、ニンゲンジャナイ!ナゼ?
神から何も聞かず、壊しに来たのか?下等な天使が!
零時(コール)が天使の顔面を蹴ると天使は1キロ吹っ飛んだ!
ソンナ!カミサマ!タスッ
すぐに転移で天使に近づいた。
今のは、俺の部下になりそこねた、この世界の人間の分だ。
次は、死ね!
零時が手を上に上げ魔剣を呼び出した。
魔剣は以前の真っ黒な剣ではなく、紫のオーラをまとう紅い剣に変化していた。
天使の心臓を貫き、上に少しづつ魔剣を持ち上げると天使の顔面が真っ二つになり、真っ赤な血が噴き出しアチコチに散らばった。
神に伝えておけ。次はお前を殺すとな。
その後、美羽を持ち上げると転移で、皆が待機している本部へ行った。
章典 零時!大丈夫かよ!
章吾 美羽ちゃんが!早く魔花を!
美羽をベッドに寝かせて零時は魔力と血液を美羽の口へ流し込んだ。
その後、章吾が魔花をすり潰した液体を美羽の傷付いた身体へ垂らしていった。
美羽の身体が青く光りだし、ドクン、ドクンと心臓の音が部屋中に響きだした。
ガハッ!
ハー、ハー、ハー!何?零時は?街は?
目をキョロキョロと動かす美羽が意識を取り戻した。
俺はここだ。無茶な事を。
零時を見た美羽は零時に抱きついた。
零時~!
あれ?おじさんになった?
うむ。少々な。力が一時的に戻ったようだ。お前のブラッドレインが働いたようだ。
そっかー♡全身でアレをやると零時はおじさんになるんだね♡初めてだから、知らなかったよ~
美羽が弱々しい声で零時に呟いた。
俺も初めて知った笑
あとは魔力が戻るのを待ち、ゆっくり身体を回復させるのだ。
うん♡
後ろで見ていた章典達が涙ぐみながら、喜びに満ちていた。
そして零時の姿が段々と魔王コールの姿から大学生の零時の姿に戻っていった。
桃 アニキ~!アタシもさ、アタシもさ、美羽の血を浴びたらボインボインになれるのか?!
スノー、桃を連れて母上の所へ転移しろ。
クゥン(マスター、ゴメン。この人数を転移させたから疲れちゃった)
スノーが目を閉じ床に寝そべると零時は頭を抱えた。
桃、美羽には1日、近づくな!良いか?
なんで~?
桃が自分の胸を掴みながら顔を横に傾けていた。
か、か回復のた、た為だ!
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