第10話 古代種

空から下に降り、女が引きずられた血の跡を追うと、木々の奥から


バリ、ボリ、

グシャ!ボキッ!バキッ!


とゆう音がしてきた。


零時が章典の前を歩き、その姿を見る。


そこには、人間を食べている獣の姿があった。


零時 やはりな!


章典 なんだよ?あれ!スノーと同じような魔獣か?


零時 違う!あれは魔界でも数が少ないとされている古き民族だ。言葉が通じん故に厄介だぞ!気をつけろ。


獣の姿をした者は零時達の気配に気付き、両手を地面に付けると飛んできた!


章典!左へ避けろ!


零時と章典は左右対称に飛び、攻撃を回避した。


そして、道路まで出ると章典がライトを使い、それを照らした。


体長は1.5メートル程。手足が長く、爪が異様に伸び、顔は狼の顔をしていた。


零時 ウルフマンだ。


俺を知っているのか?

ウルフマンが話し出した。


零時 知性があるとはな?珍しいではないか?何者だ?


静寂の山の中に響き渡る大きなゲップを出すと、唸りだし、爪を零時に向けてきた。


ソードタンクで章典が零時の前に立ち、薔薇の剣でその爪を受けた。

が、章典が後ろに吹き飛び崖に頭を打った。


章典が気を失った。


やはり、ただの野蛮か。


続けて零時に爪を向けて飛びかかったが、零時は空中へ飛び回避した。


来い!我が剣!


零時が片腕を空に向けて上げると


零時の手に電撃がほとばしり、漆黒の大剣が現れた。


手にすると大剣の周りに紫色の波動がうごめき、ウルフマンに向けて一振りをした。

波動が刃になり、ウルフマンの片腕を切り落とした。


ウルフマンは無くなった片腕を抑えながら、地面に膝をついた。


ま、待て!俺は、


ウルフマンが人間の姿に戻り話し出した。


俺は、この世界に転生したのだ。


零時 ほぉ、なら規律は知っているだろう?


規律?知らん。


零時 いつ、ここへ来た?


200年前だ。


零時 転生したのに200年間、その若い姿を保てたのか?


ウルフマンの目が黄色に光り、再び零時に飛びかかってきた。


零時が大剣を上から下に振り下ろしウルフマンを真っ二つにした。


嘘で欺こうなどと浅はかな!


そして章典が頭を抑えながら、気付いた。


いってー。奴は?


零時 そこで、朽ち果てたわ。


その後、零時は胴体の一部、数本の骨と髪の毛だけが残った女性の遺体をフレイムで跡形もなく焼き尽くし、Homeへ戻った。


しかし、零時の強さが上がったよね?何で?


魔素を吸い、いくつかの魔法を思い出したのだ。魔力も上がったし。


さすが!魔王様。

全部を思い出したら色々とヤバそうだわ笑


安心しろ。仲間に刃は向けぬ。


成果。

ウルフマンの魔力が章典と零時の身体に吸い込まれ、章典はレベルが43に上がった。


零時、現在のレベル166































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