殺戮衝動

バブみ道日丿宮組

お題:明るい殺人犯 制限時間:15分

殺戮衝動

 連絡を受けて、その場所にやってくると、

「遅かったね」

 彼女は、血で濡れたナイフを持ってた。

 その足元には刺したと思われる人物が転がってる。

「先に始めちゃったんだけどさ、あまり面白くなかったよ」

 それは苦戦しなかったことを意味するのだろう。

 大抵の人間であれば、彼女から逃れることはできない。

 美姫と呼ばれる彼女は、ある種の魔法を持ってる。注目による硬直。あまりにも美しい顔を持った彼女を見てしまえば、必ず動きを止める。

 例外は僕。

 唯一彼女が殺せなかった人物であり、共犯者だ。

 いつの間にか僕までが、殺戮を好むようになってしまった。

 だからこそ、こうやって彼女の犯行に呼ばれることがある。

「胸ってあまり美味しくないんだよね」

 しゃがみ込み、死体の胸を切り取ってく。そして口に含み、吐いた。

「男の人はこれが好きらしいんだけどさ、食べたことなさそうだよね」

 当たり前だ。

 人は人を食べない。そして普通は殺さない。

 胸を好むのは、感触と、愛液(母乳)がメインのはず。

「ねぇねぇ、ここにちんちん入れてくれない?」

 ナイフで死体の陰部をこんこんとつついてる。

「死姦の趣味はないよ」

「そんなこと言っても、それは嘘をつけないよ」

 彼女が視線を強くしてみてるのは、僕の股間だった。

 そこにははち切れんばかりに勃起した僕の性器があった。

「それともここで私とえっちしたい? ほんと君の好きな状況ってのは特殊だよね」

 笑い声。

「いいよ。えっちしよ」

 彼女はゆっくりと服を脱ぎ、血溜まりのない机の上に服をたたむ。

 靴下だけになった彼女はゆっくりと近づいてくる。

「あんま長い間はできないよ? 連絡がなくて不思議に思う人はいるだろうし」

 朝まで7時間もある。それ以上もそれ以下もない。

 愛を語る上で大事なことは、死に近い場所であること。

 僕とはじめて彼女が繋がったのは、彼女の両親の死体が寝かされた部屋。そこで僕たちは何時間も性につかった。

「相変わらず大きいね。私の壊れちゃう」

 僕の性器をズボン、下着と、めくり取り出す。

 あとは考えるまでもなかった。

 ただ、ただ、彼女を犯す。

 それだけである。

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殺戮衝動 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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