第8話「義妹とのデート」
翌朝、目が覚めると俺のベットの中に下着にワンピースを着た可愛い可愛い
「澪は今日も可愛いなぁ……」
「んぁ……ぅ」
ぽにゃーっと猫のように身体を反転させて、お腹をおっぴろげる義妹に俺は心の奥底に眠る何かを呼び起こせずにはいられなかった。
ん、そうか、これはあれだな?
興奮……。
え、興奮!?
俺は驚いた。まさか、まさかのまさかだった。俺の感情に
って……驚いている場合じゃなかった。とにかく、俺は好きだ。それはいいとしよう。あの電波少女曰く、今のこの変な状況を直してもらうためには澪といい関係にならなくてはいけないらしい。
血は繋がっていない義兄妹だが、手前上は家族。そのため、澪に手を出すわけにはいかないのだが——この状態では毎日寝たり、お風呂に入ったりで俺ができる感じではない。
そのためだ。俺は今回、仕方なく義妹と付き合い、その上で——状況を元に戻し、事の行く末はあの似非神様に任せるとしよう。
自分で何を言っているのか分からなくなった来たところで、俺は洗面台に向かい顔を洗うことにした。
「ふぅ……さっぱりしたっ」
俺が顔を洗い終わり、歯を磨く。朝ごはんは作るが朝ご飯は食べない主義なので歯を磨いている。
歯磨きついでに鏡を見ながら髪を整えていると、後ろからお腹を出し欠伸をしている澪がやって来た。
「——んあぁ、お兄ちゃん」
「お、おう澪。昨日はよく眠れたか?」
「うん……お兄ちゃんが夜中家の前で倒れてたからびっくりしたけど、一緒に寝れたし万々歳だねぇ」
何食わぬ顔ですさまじいことを言い始める我が義妹。
俺が昨日の夜中、家の前で倒れていた? 何を言っているんだか、素俺は最初から澪と一緒にベットの中にいたじゃないか……。
——ん?
そう言えば、あの電波少女と話をして、貴様に妹への愛を返し、付き合えと言われて……そのあと俺は何をしていた?
「な、なぁ——澪」
「なぁに、お兄ちゃん?」
「俺って昨日倒れていたのか?」
「うん、そうだけど……すぐ起き上がったわよ?」
「すぐ?」
「なんかね、何言っても聞いてくれなくてすぐ寝付いちゃったから疲れてたのかなぁって……まぁ、一緒で寝れたし良かったけどぉ~~」
頬に手を当てて足をもじもじさせながら嬉しさを表現する彼女に一瞬だけギョッとしたがわが愛すべき最強の義妹のことだ。そのくらい別に屁でもない。
じゃなくて、そうじゃなくてだ。俺ってあのまま気を失った気がしていたがまさか本当にそうだったとは……少し驚いた。神様の力か知らないか、俺の事を家まで運んでくれたことは評価したい。
「——でも、どうして?」
「ん、あぁいや何でもないんだよ。こっちの話だ」
「そ、そう? あ、お兄ちゃん歯磨き粉ついてるっ」
「お、どこだ?」
「ほら、下向いて」
そんな澪の言う通りに腰を曲げて顔を下げると頬に着いた歯磨き粉をペロッと下で一拭き。ざらッとした感覚が頬をなぞる。ぞわっとしたが澪の方はニコッと小悪魔風に笑みを浮かべていて、復活した義妹への愛に突き刺さった。
「……ありがと」
「どういたしまして、お兄ちゃん!」
耳舐めASMRを普段から見ている俺としては一度覚えてしまった舌で現実の耳もいじめてほしいものだ。
「それでだな、澪」
「ん?」
「今度、お兄ちゃんとデートでも行かないか?」
「で、デート?」
「あぁ、色々と言いたいこともあるし……デートしてみたいというか」
「……うん、いいよ! 私も嬉しいし、いこ!」
「ありがとう、じゃあ今日の学校が終わった後でいいか?」
「いいよ! すぐに駅前で待ってるね!」
「おう!」
そうして俺はすぐさま神様から言われたことを果たすため、動くことにした。
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