第8話40歳命からがら助かるも社会的に死す

「いやほんとスミマセンでしたタスカリましたアリガトウゴザイマシタ」

土下座

人生最終兵器を俺は繰り出していた

粛々と淡々とただ頭を床板に擦り付ける

「最初は何事かと思いましたよ。急に現れてあんなことを叫ぶなんて。

まだ年端もいかぬ女の子もいたんですよ。こんなことはこれきりにしてくださいね。」

魔術組合長であるルナティは慰めるかのように言った。

ゴブリンの洞窟の中で『ポイズンスパイト』から毒を受けてしまった

俺は瀕死の危機へと陥っていた

死に物狂いで後悔を叫ぶといつの間にか魔術組合の教室へとワープしていたのであった その場にルナティ学長がいたおかげで助かりはしたが醜態を大勢に見られてしまうことにもなった

解毒薬や魔術が存在しないと言われる『ポイズンスパイト』の毒を打ち消してくれたのはルナティ学長の4本のうちの1本の腕である、『猿の手』というものによる

ものらしい かなり特殊なマジックアイテムらしく願いを叶えるがそれと同じ以上の

対価を奪うらしい 俺の場合は外聞だった

生き残れたことを素直に喜ぶどころか今すぐにでも死にたい気分だ

そして俺をこんな目に合わせた原因は頭の上で爆笑している

「お前のせいだからな!!」

「わしのおかげで助かったんだろうに。感謝せい。」

えらい上から目線で喋るのは空間魔法を使った時に俺の胸元から出てきた妖精だった

見た目は若いくせに偉く歳をとった喋り方をする紫髪の妖精だ

厳密には精霊らしい

「その精霊は守護精霊です。どんなものにも一人ずつついていると言われています。

ナオさんが魔法を使った際、強力な魔力で受肉してしまったのでしょう。特に時空間魔法は特別ですから。」

一応俺の守護精霊とやららしいが態度がまじでムカつく

守護精霊だから一生付き纏われることになりそうだ

「お主の思考はわしににも伝わるからな 不遜な考えをせんように。

あとわしにもちゃんと名前がある。『リタ』じゃ。様をつけても良いぞ」

クソリタ

「絞め殺されたいんか?お主』

「まぁまぁ守護精霊は本人の一部ですし、もっと気楽に考えてみてはどうでしょうか・・・・ところで先程の話って本当ですか?」

「先程の話とは?」

「童貞をもらって欲しいというのです」

「いやぁはっはっは」

適当に誤魔化すしかない これ以上傷を広げるわけにはいかん

ん?ルナティさんなんか目がギラついていないか?

前見た時もキラキラした目だと思ったが今回はなんかおかしい

舌なめずりをしている?

瞬間体に何か寒気が走る

なんかこのままだと体に危険が迫りそうな予感がする・・・

「あっ忘れてた!!」

「どうかしましたか?」

「シャーロットとフィーナを洞窟に置いてきぼりだ!どうしよう」

「あのおなごたちの前ならワープできるぞ」

「えっお前そんなことできんの?」

「お前じゃないリタじゃ。ちゃんと名前を呼ぶまでつれってやらん」

「お願いしますリタ様あの二人の元までつれてってください!」

「しょうがないの。ほら空間魔法・ワープ」

「ルナティさんありがとうございました!」

「ぜひまたきてくださいね。」

空間に空いた穴へと道を潜る

<洞窟内>

「やっぱりもう少し探しましょう」

「いえ一回外へ出たあともう一度探すべきです。疲労が溜まった状態では

正しい判断ができません」

「あんたはパーティメンバーを放っていくの!?」

「あらかた探しても見つからないってことは何かしらの魔術に巻き込まれてる

可能性もあります。このままでは私たちも危険な目に遭うかもしれません。

ほら早く!!」

「あんたねぇ!!」


「あのー・・・」

「今大変なの!!なに!?」

「ナオ!!」

シャーロットがこちらへとダイブしてくる

柔らかいものが飛び込んでくるところを妄想したが

鋼よりかたい鎧に押し倒され意識を失うことになった


<村の家>

事情を全て話し終えるとフィーナからは猛烈な

パンチを顔面にいただくこととなった

こればっかりは自分の責任なので甘んじて受け止める

シャーロットは無事で良かったと何度も泣いてくれた 嬉しい

シャーロットはどんな顔でも可愛いよ

そんな考えもアゴを的確に打ち抜くパンチによって遠くの空へと飛んでいった。


後日談として

依頼を終えた我々は王都へ帰還

リタの魔法もあり魔力の補給も含んで二時間程度で帰ることができた。

リタの魔法に使われる魔力は俺から取られるらしい

しかし十分な短縮だ 一度見た場所にしか飛べないらしく

依頼先へと向かうときは大変かもしれないが帰りはかなり楽になる

あとリタに俺は魔術組合の講義室を見たことはないと言ったが

あの場合はルナティの元へ飛んだらしい

結果的には良い結果となった

ちなみに俺は魔術組合の中で童貞を人前で叫ぶ変態野郎としてしれわたっており

もれなくフィーナは変態の仲間という評価を受けることとなり

俺は二度目のフィーナパンチを顔面で受け止めることとなった

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