第3話 目立つやろ飛ぶな

あれから数ヶ月、謎の少年が焔の前に現れることはなく、春が訪れた。

『おー、吹雪が遂に吹かなくなった。久しぶりに外に出られるな、焔』

『あんたら2人とも、買い出しに行って来てくれるかい?冬を越すのに保存食もほとんど使い切っちまってね』

『ああ、分かったよ。おじさん行くよ』

『吹雪よ!ふけぇ!今だけでいい!』

『さっきまで外に行けるの喜んでたじゃないか』

『買い出しなんて男の仕事じゃねぇよ。。』

『いいから黙って行ってこい!!』

おばさんに背中を押され、2人は優しく村を照らす太陽の光を浴びた。

『くぁー!生き返るぜ本当に!自然ってのは最高だなぁ!』

『ああ、、凄く良い。。』



『んーと、大体は済んだかな。』

『やっと終わったのか。。。』

干物みたいに疲れきったおじさんはまともに歩けてすらいなかった。

『おじさん着いてきてただけでしょー』

『それがしんどいんだよぉ、暇ほど怖ぇもんはねぇよ。。』

『全くワガママな人だ』

2人でくだらない会話をしていると、辺りが暗くなってきた。太陽は出ている。

『なーに一般人みたいなことしてんだおめえ?』

背の高い建物などない、ビルの1階にも満たないような店が立ち並ぶ商店街の''上から''その声はした

『浮いてる。。』

『そんなに不思議か?こんなの普通だろうよ』

この感じ、あの男が言ってた別の神ってやつか。。

『お前も神ってやつなのか?』

『察しが良いな、正解だよ』

『何をしに来た』

『んーまあここだとアレだな。場所を変えるぞ』

辺りは太陽が出ているのに暗くなって怯える者、空を飛びながら平然と話す男に恐れる者で溢れかえっていた。エルドももちろん腰を抜かして立てなくなっていた。

『あの教会にまた行くのか』

『教会ぃ?あーお前煌にもう会ってんだ』

『煌?あの男の名前か』

『教会はアイツの意識空間の中だよ。俺は自分の意思で入れねぇし、おめぇを入れることも出来ない』

『意識空間。。?』

『お前なんでそんなことも知らねぇんだ?神って普通全知全能だぜ?』

『俺は自分がその神だってことを煌って男に教えてもらったんだ。そしてそれ以外何も知らない』

『はー、変なのも居たもんだな。まぁこいよ、俺の意識空間に連れてってやる』

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