第2話。深ーいお話

『おい、さっさと入れろ』

『分かってる。こいつらは俺たちの希望だ』

なんだ。。?誰の声だ?

『どんな絶望が訪れるか楽しみだな』

『やめろよ、その話は嫌いだ』

絶望?何の話だ。。?

『俺たちの国を救ってくれ。。!』

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『やぁ、よく来たね』

その教会とも呼べる場所には、焔ともう1人、綺麗な黄金色の髪をした少年がいた。少年が指を鳴らすと2つの椅子がでてきた。

『まぁ座ってよ。話したいことが沢山ある』

『誰だ。。お前は。。』

全く知らない男が俺に''話がある''だと?全く状況が分からない。

『やだなぁ、忘れちゃうなんて。僕達は兄弟なんだよ?』

『俺に兄弟なんていない。』

『ふーん?その様子だと親がいるかどうかも分かってなさそうだね』

『いいや、親はい。。。親?』

よく考えてみれば、親の顔が浮かばない。気付けばエルドたちに拾われていた。森で倒れていたと聞いたが、その前の記憶が無い。。俺は確かに誰かに育てられて。。。

『まぁその辺はあんまり関係ないんだけどね。話長くなるの嫌いだからさ、教えちゃうとね、僕達は''神''なんだよ』

『神?何を言ってるんだお前は』

『そのままだよ。僕達はこの世を作った神だ。いやまぁ最近別の考えもあるんだけど、それはまた今度話すよ。そして、僕達はこの世の全てを知るものだよ』

『この世の全て?』

『うん。全て。といってもこの世界は僕達神が作りましたーってだけのことだけどね』

男はニヤリと笑う。この世を俺達が作った?ますます意味がわからない。

『何故そこまで知っているんだ?』

『そりゃあ僕が全ての神の中でも特に優れてるからかなぁ?』

全ての神。。他にも神がいるのか。。?

『よく分からんが、お前の目的はなんだわざわざ俺を呼び出したということは何か目的があるんだろ?』

『僕はね、全ての神を集めろって言われてるんだ、誰から言われてるかは、よくわかんないけど』

『お前は本当に意味が分からないな』

『まぁわかる時が来るよ〜』

なんとも気が抜けたやつだ。髪の毛を人差し指でクルクル弄りながら答えた。

『ま、話すぎも良くないらしい。君には僕という''他の神''を認知して欲しかったんだ』

『お前を知って何になる』

『それもまた、わかる時が来るよ』

男が指を鳴らした。


気付くと焔はエルドたちの家にいて、エルドとその女房、カエラもいた。

『おーい焔、焔ー?』

『ッ!?』

『良かった、気がついたね。』

『俺は、何を。。?』

『エルドが大声出して呼ぶもんだから急いできたら、あんたが倒れてるからビックリしたよ』

『俺は確かに。。ドアを開けようとして。。』

『よくわかんないけど、早くスープあっためてちょうだい!ご飯が遅くなっちゃうよ』


神とはなんなのか。そして焔を教会に呼び出したあの男は何者なのか。この世の全て? 他の神?分からないことが多すぎる。

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