21-2 捜索する?
透、おせろ、麻尋の3人は絶句していた。
『爆乳空手美少女、30分1本勝負!マウントポジションに悶絶!』と書かれたエロ本が京真のベッドの下から発見されたからである。
「これっておせろに似てない?」
「イヤイヤイヤイヤ、それは無いだろ!だって私の空手じゃないし、道着の中も裸じゃないし!」
「でもこの設定、ほぼおせろちゃんでしょ」
「ないないないない!ありえないだろさすがに!」
「これを見ておせろにムラムラしたのか、おせろを見てこれを買ったのか……」
「京真のこの前の言葉ってこういう事か!?」
などというやり取りをしている3人をドアの隙間から見ている人物がいる。
和己である。
和己はこの状況を好機とみていた。
あのエロ本は本来、和己のものだ。
和己が兄、京真の部屋にこっそりと仕掛けておいたものなのだ。
これは全て、
OOとは、おせろお義姉ちゃんの略である。
京真とおせろが結婚し、おせろが和己の義姉になるという計画。
それを達成するために和己が行っている作戦がOO作戦だ。
その初期段階として、京真におせろを意識させようと和己は考えた。
結果、おせろに似た人物が登場するエロ本を京真の部屋に隠したのである。
「これはこれでありですね」
今回、エロ本が京真ではなく麻尋に発見された。
しかし、これは失敗ではない。
本来の予定とは違うが、京真がおせろを意識している感が出ているのだ。
そしてそれをお邪魔虫2匹も認識した。
これは牽制として大きな役割を持つだろう。
これでおせろと京真の仲は進展するはずだ。
そう、和己は考えていた。
だが、和己はもう一人の存在を忘れていた。
「見て―。和己ちゃんの部屋でエロ本いっぱい見つけたよー!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます