21-1 捜索する?
「さて、邪魔者も消えたことだし、アレをやりますか」
「恋バナ?」
「ノンノン。男子の家と言ったらやることはひとつでしょ」
人差し指を左右に振りながら楽し気に笑う麻尋。
麻尋の思考が理解できない透とおせろは二人並んで首を傾げる。
「これよりエロ本捜索作戦を実行する。かかれー!」
「おー!」
麻尋と美景はリビングを飛び出した。
他人の家だというのにまるで遠慮がない。
二人を慌てて追いかける透とおせろ。
その後ろで和己は怪しげな笑みを浮かべていた。
「京真の部屋は玄関入ってすぐだよ!」
「了解!」
透の声に反応して麻尋が廊下で足を止める。
そして扉をゆっくりと開いた。
昨日、透とおせろが訪れた部屋。
実に質素で物が少ない。
小さな本棚には参考書が並ぶ。
いかがわしいものはパッと見では見当たらない。
「こういうのは本の奥とかにあるはず」
麻尋が参考書を取り出し、奥を確認する。
しかし、目当てのものは見つからない。
「おせろちゃん、京真君ってエロ本とか持ってると思う?」
「今までそういう話はしたことないからな……。多分無いと思うぞ」
「目撃情報なしか」
しかし麻尋は諦めない。
タンスを開け、中を物色する。
机の引き出し、教科書の間もしっかりとチェックする。
それでも見つからない。
諦めムードが漂い始めるなか、麻尋は呟く。
「流石にこんなベタなところに隠すわけ無いよね」
そう言って、ベッドの下を覗き込んだ麻尋は驚愕する。
「あった……」
麻尋は手を伸ばし、ベッドの下にある四角い影を掴む。
引っ張り出したそれは間違いなく目的のブツだった。
座り込んだ麻尋を囲むように透とおせろが本の表紙を確認する。
そこには肌を露出した女性と、大きく見出しが描かれていた。
『爆乳空手美少女、30分1本勝負!マウントポジションに悶絶!』
一同ドン引きだった。
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