16-5 一転攻勢?
おせろは絶句していた。
京真に促され股間を目視したのだ。
そこに聳え立つエベレスト。
性の知識に疎いおせろでもそれが何かは理解していた。
だからこそ驚いた。
京真が自分を性の対象として見ていることにだ。
おせろには自覚が無かった。
女性的な魅力にあふれているなど思ってもみなかったのだ。
道場に通う門弟など、多くの人はおせろに魅力を感じている。
しかし、おせろは純粋で、他人の視線の行方を理解しなかった。
すると、いつしか周囲は、清純な彼女を汚すわけにはいかない。
そういう一体感に包まれ、おせろに気付かれないよう注意を払った。
結果として、純粋無垢で無自覚な美少女が誕生。
京真を悶々とさせる天然の小悪魔となったのだ。
だが、京真は本当の気持ちを告げることにした。
おせろを避けることでおせろが傷つく。
ならばもう、おせろの魅力を伝えるしかない。
例え嫌われようと、変態と罵られようと。
そう決意した。
「おせろ……、お前は……、エロい!」
「……………………は!?」
おせろは混乱した。
頭の中で京真の言葉の意味を考える。
繰り返し繰り返し考えて、やっと意味を理解した。
「え、エロい……?」
「ああ!エロい!」
「私が……?」
「ああ!」
「……」
おせろは言葉を失った。
京真の言葉はおせろにとってそれほどの衝撃だったのだ。
エロいと言われるのは人生で初めての経験だ。
どう反応していいのかわからない。
わからないが、体が熱くなっていく。
それに気付いた時おせろは戸惑った。
嬉しいような恥ずかしいような。
そんなむず痒い感情。
自分がどうしたいのかわからない。
そんなおせろを他所に、京真は言葉を続けた。
「俺がお前を避けてたのは、おせろが嫌いになったわけでもないし、おせろが女で相手にならないからでもねえ……!お前の体がエロいからだ!」
「はあ!?」
「ええ!?」
その発言におせろだけでなく、傍観していた透も驚いた。
「中学の時にどんどん女らしくなっていったお前を見て耐えられなくなった……。興奮しちまった……。幼馴染に欲情してるなんてバレたくなかったんだ!」
京真の悲痛な叫びが道場に響いた。
相当な羞恥プレイだった。
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