16-4 一転攻勢?

 京真は勃起していた。

 それは仕方のない事だ。

 いわゆる生理現象というものでコントロールできるものでもない。

 それがたとえ真剣勝負の最中であってもだ。

 京真は現在ピンチに陥っている。

 おせろに腕ひしぎ十字固めを受けている。

 左腕を折られるかどうかの瀬戸際だ。

 そんな状況であっても京真の脳内CPUを支配する別の存在がある。

 おっぱいだ。

 

 京真の左腕はおせろに絡めとられていて逃れることはできない。

 逆に言えば、おせろは自らの体を京真の腕に押し付けているのだ。

 つまり不可抗力ではあるが京真は触れてしまっている。

 おせろのおっぱいに。

 しかも押し付けられている。

 小さくはない、その胸の谷間にだ。

 くわえて肩口はおせろの股で絞めつけられている。

 眼前には汗で湿った、すべすべの足が置かれている。

 京真の指先にはおせろの荒い息がかかる。

 年頃の男の子である京真には耐えられない状況だった。

 だから京真は伝えることにした。

 おせろに対する本当の気持ちを。

 

「おせろ……、お前は……、エロい!」

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