「だから俺はゴッドアレスを超えるために最強を目指すんだ」

　京真は質問に答えた。

　なぜ最強になりたいのか、という透からの問い対し、自らの過去を振り返りながら正直に答えた。

　話を聞いた麻尋は腕を組んで考え込んでいる。

　思う所があったのだろう。

　対する透は顔が青ざめていた。

　さすがはゲーマー。

　セーブデータを破壊される恐ろしさを感じているのだろう。

　と、京真は思っていた。

「自分で名前にゴッドってつけるくらいだ。相当腕に自信があったんだろうな」

　京真は場の雰囲気を明るくしようと話題を変えた。

　しかし透は苦々しい顔をして、麻尋は笑いをこらえていた。

「そいつの顔ってどんな感じだった？」

　麻尋が笑顔で尋ねる。

「よく覚えてねえけど、キザな野郎だった」

　麻尋はまた笑い出した。

　京真は麻尋がなぜ笑っているか分からない。

　透は目を瞑ってしまっている。

「俺を弟子にしてくれるのか？」

　不安に思った京真が尋ねると、透に代わり麻尋が答えた。

「合否は後日連絡いたします。本日はお疲れ様でした」

　京真は退店させられた。

　ソファに座る二人はそれぞれため息をこぼす。

「私も帰っていい？」

「ダメに決まってんだろ」

　透はすでに帰りたい気持ちでいっぱいだった。

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