第6話
梨々花のお願い。
「協力するわ」
それに対していの一番に了承したのはレインだった。
「え?」
あっさりと了承したレインに梨々花は驚愕の視線を向ける。
「当たり前じゃない。……そんな計画を私が認めるわけないじゃない。レルもそうよね?」
「えぇ……是非私も協力させてもらうわ。姉なんて私で十分だもの。ねぇ?二人も要らない……居るはずがないわよね」
「当然私も協力するぞ」
レインとレルに続き、マキナも協力すると言葉を話す。
「アルベトが長い年月をかけて積み上げてきた計画をぶっ壊す……実に最高じゃないか!最高にゾクゾクするねッ!」
頬を赤く染めたマキナが興奮と共に言葉を並べる。ただのド変態さんだった。
「……それで?ニーナはどうするの?」
レインは無表情かつ無反応を貫いているニーナへと視線を送る。
「私も、協力するよ……」
ニーナは悩んだ末にその結論を出す。
「最近、パパ。私にかまってくれないもん。……お仕置きしないと……!」
ニーナの瞳は。
長い間アルベトと関わらず、魔界という地で一人、戦い続けていたニーナは帰ってきた自分をアルベトが優しく出迎えてくれなかったことに対して強い反感を抱いていたニーナは梨々花に協力する旨を話す。
「ほんと……!」
四人全員が自分に協力してくれるということを聞いた梨々花の表情が喜びに染まる。
「それなら良かった。みんなからの協力を得られるようで良かったわ。お兄が女の子を誑し込むことに対して絶大な才能を持っていたことに対して初めて感謝するわ」
四人が協力してくれる理由は間違いなく四人の歪みきった愛故である。
今までは自分の兄であるアルベトがこれ以上ないまでにモテていたことに対して憎悪の感情を持っていたが、そのことに梨々花は初めて感謝の感情を抱いていた。
彼女は失っていた記憶を取り戻した。
しかし、彼女が異性としてアルベトを愛していることに変わりはない。
人類を守りたいという気持ちと、アルベトを独り占めしたいという気持ちを持つ梨々花の心のうちはこれ以上ないまでに複雑なことになっているのだった。
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