第5話

「人類とは異なる……されど人類の味方である強大で天才たる三人が味方となった人類は更に発展を続けた。

 この世界に存在する幾つもの理を理解し、利用していった。

 とうとう人類が宇宙にすら進出するようになった世界で。


 私たちは絶対にたどり着いてはいけなかった理にたどり着いてしまった。

 

 生命は産まれて死ぬ。酸素がないと死ぬ。重力が働いている。熱平衡が起こる。電子はマイナスからプラスへと流れる。 

 それと同じ。

 まったくもって同じの法則、理。

 

 絶対に変わることのない理の一つとして、世界の終焉が存在していた。

 何もかもを呑み込む黒い闇。

 一つ次元を超えた世界に存在していた終わり。

 人類は一つ次元を超え、闇を開放してしまった。

 そこから起こるのは大きな終わり。終焉。それに対抗することはできない。

 当然だ。

 だってそれはただの理なのだから。

 理不尽でも何でも無い。決められている普通の理。

 

 避ける術はない。

 

 しかし、三人の中の長女は諦めなかった。

 彼女は自分ごと闇を封印した。

 

 闇は消え、平和な世界が戻った。


 そんな世界にノーを告げたのはアルベトだった。

 人類よりも姉の方が大事だったアルベトは当たり前のように死体を積み上げ、封印を解除しようとしている。

 

 私はそれを認めるわけにはいかない。人類を滅亡させるわけにはいかない。

 

 そして、今。

 もうすぐでアルベトは封印を解除するための算段を整え終わるはずだ。

 止めるなら……今しか、ないの!」

 

 

 梨々花は己の言葉を切り、レインとニーナとレルとマキナへと視線を送る。


「お願い。アルベトを止めるため。力を貸して」

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