第2話
「最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪」
梨々花は己の部屋で一人、自身の爪を噛んでブツブツと最悪と呟き続ける。
「戻ってた……!お兄は既に……ッ!!!いつから……ッ。いつから!?」
梨々花であればどこに居ても感じることができるマキナの強力すぎる圧倒的な力。
純粋悪であるマキナの荒々しく、我儘な圧倒的な暴力的な力。
「私は……ッ!」
梨々花の表情に浮かぶのは諦観と迷い……梨々花の内面に様々な思いが交錯する。
彼女の脳裏に過るのは遥か昔の、マキナの表情。自身の兄の表情。
「……ッ」
梨々花はマキナを、己の兄を愛している。
しかし。
それと同様に梨々花は人類も、この世界も愛しているのである。
「駄目だ……ッ」
彼女は知っている。
マキナと言う存在はたとえ人類が滅んでも気にしないことを。
マキナという存在はたとえ世界が滅んでも気にしないことを。
マキナという存在はすべて己の思いが行動理由であることを。
だからこそ、梨々花は涙を飲んで、歯を食いしばって立ち上がらなくてはいけない。
「……うん!」
梨々花は立ち上がる。
悲壮的な……しかし覚悟の決まった表情を浮かべて。
「必ず止めて見せる……!」
梨々花はレインたちの居るリビングの方へと向かった。
マキナが居らず、意気消沈しているレインたちの居るリビングへと。
「絶対にお姉ちゃんの覚悟を無駄になんかさせない」
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