第27話
膨大な力の奔流が荒れ狂い、光が世界を覆う。
「ヤァッー!!!」
僕の眼下でマキナが聖剣を振るい、その力を遺憾なく発揮している。
目の前に立ちふさがる障壁の全てを破壊し、荒れ狂い、叩き潰していく。
一騎当千。なんて言う言葉では到底現すことの出来ない絶対的な力だ。
「よっと」
僕はそんな光景を眺めながらこちらへと近づいてくる魔族の船を魔法で破壊していく。
どうせ、僕がしなくてもマキナがやるのだ。
マキナが出来ることを僕が時短のために手伝って上げても良いだろう。
……そろそろヤバそうだから、巻きでものごとを進めていきたい。
「聖剣エクスカリバー✕10!」
マキナが適当に、むちゃくちゃに剣を振り回して港を破壊して、敵を片付けていく。
この場にマキナの相手が務まるような存在は居ない。これくらい適当でも何の問題にもないだろう。
「……ふぅー」
それからしばらく聖剣を振りませば、完全に港が破壊され尽くし、魔族の気配が全てなくなる。
生存者は0人だろう。
「おつかれー」
空を飛んで、船を狙い撃ちしていた僕は地上へと降りて、マキナに労いの言葉をかける。
「この程度朝飯前だよ。さて、次のところへと向かおうか。ほら、立って」
マキナは隣で腰を抜かして倒れ込み、前足を交差さして胸元を守っている……なんとも器用な馬へと視線を向ける。
「ブルル」
馬は一鳴きしてから、立ち上がる。
「よっと」
マキナは慣れた、素早い動作で馬の上にまたがる。
「ほら、アンノウンも」
そして、マキナは僕の方へと視線を向けて、自分の後ろに叩いて示す。
「あぁ。そうだね」
僕は転移魔法を発動して、マキナが示した場所に転移して座る。
「しっかり掴まっててね。ほら、進んで」
「ブルル」
マキナの言葉を聞いて馬が一鳴きしてから、その足を動かし、地面を駆け始めた。
「あぁー!!!この……振動が、ぃぃ……。後ろにアンノウンがいるのも……んん!さい、こう……」
馬の顔がこころなしかしょんぼりしているように見えた。
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