第25話
「クソ……ッ!なんで、こんなところに……!」
悪態をつき、言葉を吐き出す魔族の男。
「さようなら」
そんな男に向かってマキナは聖剣を振り下ろし、その生命を奪った。
「おつかれー」
僕は一仕事を終えたマキナに向かって一声かける。
「終わったよー!褒めて!」
マキナは男からすぐに視線を外して、そのまま僕の方へと突撃してくる。
「邪魔だよ」
僕はそんなマキナをさっさと蹴り飛ばしてやる。
「はぁ……はぁ……はぁ……ご褒美ですぅ!」
蹴り飛ばされた。
それに対してマキナは顔を真っ赤に染めて、息を荒らげる。
「んっ……」
そしておもむろに自分の秘部へと手をやって動かし始める。
「んん!!!ふぅー……一仕事終わった後の一発はキモチイイー!!!……一緒に……どう?」
「やらない。何をしているんだが」
僕は自らの変態ぶりを隠そうともせず、実に堂々としているマキナを見てため息を吐く。
人類の最前線が魔族に破られてから早一ヶ月。
あれからずっと魔族の快進撃、進軍は続き、人類は大分絶望的な状況となってしまっていた。
既にいくつかの国が滅亡し、多くの人が魔族の手によって殺されている。
ヒトラーのホロコーストよりも徹底的な虐殺。魔族の通った後に生存者は誰一人として存在していない。
何故かダンジョン巡りをしていた中央騎士団長を筆頭としてイルミ王国が中心となって反抗軍を結成して抗戦しているも……あまりその成果は芳しくない。
そんな中、僕とマキナは二人で楽しく魔族の重鎮、実力者を殺して回っていた。
ちなみに四天王は既に零天王と化している。
さっきマキナが殺した魔族の男も指揮官を任され、準四天王級として見られているような男だ。
「もうスッキリしただろう?……さっさと他のところに向かうよ。そろそろ反攻作戦も始めるんだ。それまでに僕たちは出来ることを終わらせてしまうよ」
「……はぁ……はぁ……はぁ……こんなことしているのにフル無視……ッ!その冷たさも、また、ぃい」
「……」
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