第17話
爆ぜる轟音。
「て、敵襲……ッ!!!」
女兵士の一人が叫ぶ。
「……下がっていろッ!!!」
そして、僕を守ろうと覆いかぶさっていた女兵士が僕に向かって大きな声で怒鳴りつけてくる。
「大丈夫だから」
「ア!」
僕はそんな女兵士を退かして、立ち上がる。
「おぉー。壮観だぁ」
こちらへと向かってくる魔族の集団。
その最前線に立っているのは以前アレイスター帝国の精鋭騎士を殲滅させたレイオフと同格の存在である四天王の一人だ。
「撃ち方用意ッ!!!」
兵士たちが魔法の準備を始める。
魔力が膨れ上がって混ざり合う。
「撃てぇ!!!」
いくつもの魔法が発動し、魔族の集団へと向かっていく。
優に500は超えているであろう魔法の数々が魔族の手段を襲い、魔法によって固められていない土を持ち上げて土煙を上げる。
「「「なッ!?」」」
しかし、その魔法の数々は全て四天王の一つが貼った一つの結界によって破壊された。
「くくく……実に良いじゃないか」
僕は誰にも聞こえないような声量で小さく笑う。
「……このまま我の手のひらで踊り続けるが良い」
「ど、どうすれば……」
僕の隣に立っている女兵士がボソリと告げる。
魔法が効かない。
それは絶望的な話であった。
今も必死に魔法を連投しているものの……全て防がれてしまっている。
もはや魔族の集団の歩みを止めることなど出来やしない……このまま蹂躙されるほかない。
女兵士は絶望的な表情を浮かべていた。
「安心してよ」
僕はそんな女兵士に対して安心するように告げる。
明るく。出来るだけ元気出るように。
「安心……?なんで……!?まさか、何か上層部には策があると!?」
「ははは。そんなものないよ。……ただ、力には力で対抗するまでだよ」
僕は隣にいる女兵士にそう告げ、笑いかける。
「聖剣エクスカリバーッ!!!」
誰よりも頼もしい少女の声がこの場に響き渡った。
光が輝き、圧倒的な暴力がその場を蹂躙する。
レインやニーナ、レルたちすらも超える人類最強、勇者の力だ。
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