第8話

「起きろ、炎獅子」

 

 勇者と呼ばれる少女が聖剣を一振り。

 魔法によって出現した炎で出来た獅子が魔族の塹壕へと襲いかかって行く。


「「「『マジックカード』」」」

 

 魔族たちは優れた連携ですぐさま巨大な盾を展開して、炎獅子の侵攻を防ぐ。


「無駄よ」

 

 しかしそんな炎獅子は猛威を振るい、結界を打ち破って見せる。

 結界を容易く破壊した炎獅子はそのまま魔族の塹壕へと勢いよく襲いかかっていく。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!」


「熱いッ!熱いッ!!!」


「たすけ……ッ!!!」

 

 魔族の塹壕を荒らしに荒らし、そのまま多くの人間を消し炭に変えていく。


「『打ち倒せ!炎鳥』」


「『マジックバインド』」


 しかし、そんな炎の獅子は結界で稼いだわずかな時間を用いて作った魔法の数々んによって容易く倒されしまう。

 だがしかし、少しでも魔族をかき乱せれば十分である。


「突撃ぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

 

 勇者と呼ばれる少女は叫び、勢いよく突撃していく。

 その号令とともに馬に乗った騎馬隊が魔族の塹壕の方へと一斉に突撃していく。


「来るぞッ!!!迎撃準備ッ!!!」


「聖剣……エクスカリバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァーッ!!!」

 

 勇者と呼ばれる少女が光り輝く聖剣を振り下ろし、魔族たちの陣地をごっそりと削っていく。


「殺せッ!迎撃しろッ!!!」

 

 各々の武器を持った魔族が人類の精鋭騎士団と戦い始める。

 

「負けるなッ!!!」


「クソ魔族ッ!!!」


「クソ人間ッ!!!」

 

 両者は激しくぶつかり合い、しのぎを削っていく。

 魔族の最大の強みである連携をうまくさせないように勇者と呼ばれる少女はうまく立ち回り、魔族を殺していく。


「……来たか。勇者」

 

 そんな激しい戦いの中、一人の魔族が。

 他の魔族とは一線を画す力を漂わせる魔族が勇者と呼ばれる少女の前へと立ちふさがる。


「しばしの間。相手をしてもらおうか」

 

 その魔族が自らの獲物である槍を構えて……一言漏らした。

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